『もっと生き物を大切に』 (T・K 中学3年)
あなたは一年間に約三万頭の犬が毒殺されていることを知っていますか?僕はこの事実をテレビで知りました。中には新しい家族に引き取られる犬もいるそうですがそれはたった数匹でほとんどが毒殺されています。僕はたった一年間で罪のない犬たちが殺されていることに驚きました。捨てられた犬のほとんどが人間が飼いきれなくなり放置された犬で、人間の自分勝手により犬は殺されているのです。人間はとても自分勝手な生き物だと僕は思います。食べ物をすぐに残す人もいます。
本当に食べ物をすぐに残してよいのですか?牛や魚などに申し訳ないと思いませんか?僕たち人間は生き物を殺して食べているのです。たとえば牛丼これは牛の命です。牛はその牛丼のために生まれ殺され牛丼になります。人間は自分勝手な生き物です。それは変わりません。捨てず残さず、大切にしましょう。
自由テーマで400字原稿用紙1枚の出題。
「たとえば牛丼これは牛の命です」は何度読んでも爆笑してしまうが、生き物を大切にする、というテーマの選び方もセンスが良い。日常から問題意識をもって考えているからこそ出てくるアイディアだろう。Good Job(グッジョブ)である。
『思いやりの心』 (T・K 中学3年)
僕が神尾塾に入塾して早くも三年の月日が流れました。入塾してはじめに思ったことがあります。「なぜわざわざイスを奥まで入れたり靴をしっかりそろえなければいけないのか」その時は正直そのような気持ちがありました。しかし中学生になり初めての授業で学んだこと、それが礼儀です。先輩や先生、地域の人へのあいさつ、上履きを脱いだらしっかりそろえること、理科室を使ったらイスをしっかり奥まで入れることが出来る人は思いやりのある人だと言うことを学びました。
その日の夕方、塾へ行き靴を脱いだ時学校で学んだことを思い出しました。確かに靴やイスが揃っていると気持ちがうれしくなり、これが思いやりの心だと思いました。その日から僕は心の気持ちが変わりました。そして今日改めて礼節の話を聞きました。人を思いやることで自分も得をする思いやりは大切です。
牛丼のインパクト(?)を残したT・K君の文章。本人に対して思わず「文才あるね」と言ってしまったが、読みやすいのと同時に確固としたメッセージを持っている。彼はこれからの人生でこの文才をどのように発揮していくのか。期待が持てる。
『幸せとは何か』 (T・K 中学3年)
あなたは今、幸せですか。「幸せ」を辞書で調べてみると「これ以上のぞむものがなく、十分に満足していられる時や状態」と言う言葉が出て来ます。あなたはどのような時に幸せだなと感じますか。今、この瞬間幸せだなと思っている人はあまりいないと思います。おいしい食べ物を食べている時が幸せだとか遊んでいる時が一番幸せだと思う人が多いと思いますが、どこかの国では朝、起きて自分が生きていることが一番の幸せだと言う民族があります。その人たちの朝一番の仕事が仲間の墓作りです。
日本人は、朝起きて自分が生きていて幸せだなと思う人はあまりいないと思います。なぜなら生きていてあたりまえだと思っているからです。同じ世界でも人が幸せだなと思う時は、その国によって違うみたいですが僕が思うことは幸せとは、今この瞬間不自由なく生きていることだと思います。
更にT・K君の3本目。「今、ちょっと書いてみる?」と30分もしない内に書き上げた作文。最後に「幸せとは、今この瞬間不自由なく生きていることだと思います」とサラッと伝えて文を閉じる潔さ。冒頭は説教臭さを感じるが、読んでいて次第に心地よくなる。
作文で大切なのは「独自の視点」と「オリジナルの考え」、そして「自分は何を考えているか」「自分ならばどう行動するか」を明確に示すことだ。T・K君の作文は3本ともそれが出来ている。繰り返し言うが、こういう話題は日常から考えているから書ける文章だということ。普段からニュースを見ていたり、自分の好奇心のアンテナを広げて考える習慣が大切。
ここまで来ればT・K君は様々なテーマを与えてもどんどん書けるだろうし、書くことに対して彼自身も楽しんでいるような気がする。すばらしいことだ。
『意志と目標』 (K・M 中学3年)
人は、意志が大切だと思います。自分が決めた事は最後まで遣り遂げないと意志が無いと私は思いました。例えばバドミントンの試合中に五点差もあるから諦めるのではなく、私はペアの人にいつもは十点差で追いつけないけど、五点差はすぐに追いつくよと言い、羽根が相手のコートに落ちるまで必ず諦めません。私はこの大会では入賞をする、団体で優勝をすると決めて最後まで遣り遂げます。
バドミントンの大会前の練習で、スマッシュが打てないから打つのを止めようではなく、大会までにスマッシュを打てるようになろうと目標を決める事が大切だと思います。もし私だったら、どうしたら速くて角度がつくかと考えながら練習に取り組みます。そして大会には、今まで打った事がないスマッシュを打つことを目標にしたいと思います。なので、人には意志や目標が大切だと思います。
K・Mさんの作文はまだ荒削りで修正の手を多数入れたいが、当初彼女は課題文の引用が400字の半分近くに渡っていたため、「これじゃあ引用じゃなくて、いわゆる『パクリ』になっちゃうよ」という指摘を何度も受けていた。そこから少しずつ脱皮をしていって、自分なりの考えを文章化出来るようになってきた。作文はたくさん書くこと、添削の手を入れること、清書をして完成度を高めること、この繰り返しで上達する。