とある私立高校の入試問題にて。
「Some day everyone may drink fresh water that came from the salty seas.」という英文が出た。
和訳すると「いつの日か誰もが海水から作られた新鮮な水を飲むようになるかもしれない」となるのだが、ここで設問には「本文の内容と合っているものには○、間違っているものには×をつけなさい」と記され、「いつの日か人類は海水を飲むことができるようになるかもしれない」という日本語文に対して○か×かを求めている。
さて。どうだろう。
正解は○となっている。しかし、慎重な生徒であれば「海水は浄化して飲むものであって、海水そのものを直接飲むことはあり得ない」と思って×をつけるだろう。また、「浄化しようが何であろうが海水は海水だろう」ということで○をつける生徒もいるだろう。
このように、読み方によって解釈が分かれる問題。これが典型的な「悪問」というものである。悪問は残念ながら、私立学校の問題に多い。高校受験だけでなく中学受験も同様である。問題作成者の数が限られ、またそれを精査する先生の人数も限られているということが原因だろう。
その点、公立学校の入試問題で悪問に出会うことは少ない。むしろ時間をかけて熟成された良問が出題されやすい。この点に注意しておかないと、私立の悪問にはまって無駄な時間を浪費してしまうことになる。