勉強と作業の境界線

俗にいう勉強には2種類ある。それは「勉強」か「作業」かである。

知的好奇心を満たす勉強、解きながら「なるほど」と思わされる問題に出会ったり、学習項目に関連する雑学を知ってその項目への関心が深まったり、古文を読みながらそこに示されている人生訓に納得してみたり。これが「勉強」である。

「作業」というのは、「漢字・英単語は書いて練習しよう」「分からない単語は辞書を調べるんだ」「社会の用語は参考書から探そう」「過去問を3回ずつ練習しようね」。これみな「作業」である。多くの生徒は、この「作業」から脱していない。「作業」をすることが勉強だと思い込んでいるのだが、そうではない。「作業」は単純労働に過ぎず、「勉強の奴隷」のようなものである。

もちろん、「作業」なくして「勉強」はあり得ない。このどちらも必要に応じて行き来することが出来るようになったら、ひとりの「自ら学ぶことができる人間」の完成と言えるだろう。