新春講話

(元日午前零時・鴻徳神社「歳旦祭」の講話より)

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新年あけましておめでとうございます、本年も宜しくお願いいたします。

一昨日まで、この時間は氷点下まで気温が下がっていたのですが、どういうわけか昨日の大晦日から気温が上がりまして、日中も準備がしやすく、この時間も比較的過ごしやすくなっています。もちろん、日本海側は大寒波のため大雪で大変なことになっております。今年は関東でも昨年に続いて大雪になる可能性はあるでしょうし、油断は出来ません。

さて、平成27年をどのような心持ちで迎えるかということを考えながら先日お参りしていましたら『己の道を忘れるでないぞ』という言葉が降りて参りました。降りてきたと言っても、恐山のイタコのように大げさなことではないのですが、この「己の道を忘れるな」ということが頭の中に強く突き刺さってきたのです。

いま、若い人にとっては携帯電話やスマートフォンであったり、「情報の波」というものに溺れやすくなっていて、自分で考える前に情報の波に襲われてしまう状況になっているように思います。また、自然災害も多発していまして、先程このお祭りの始まる10分前くらいでしょうか、地震がありまして、マグニチュード4.2、震源がここの直下の千葉県北西部と速報に出ていましたけれども、私たちにとってはいつどこで何が起こるか分からないという不安定な状況に置かれているように感じます。数日前にはインドネシアで飛行機が墜落したということもありました。

このように、つい自分を見失ってしまいそうな状況のなかで「今、自分はどこに立っているのか」ということを確かめ、そして「自分はどのように進んでいくのか」ということを今ここでひとつ考えてみるという、平成27年の幕開けはこのように迎えてみてはいかがでしょうか、というのがこのお話の趣旨であります。「己の道を忘れない」という中の「道」は人生における道という意味になります。

本年も皆さまお一人お一人にとりまして、善き一年となりますことを祈念申し上げます。
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