自助努力をしない生徒に天は味方せぬ

夏だ、海水浴の季節だ。
海で泳ぐならば、水着は必要だろう。全裸で泳いだらパトロールの監視員に通報されてしまうし、よほどの露出狂でない限り恥ずかしくて泳げないだろう。

これと同じように、何事にも「最低限これだけは用意しておくべき」ものが必ずある。食事をするならば箸かフォーク、スプーンは必要だ。飲み物を飲むならばコップが必要。勉強ならば・・・それは『文章を読む』ということだ。生徒が問題文を最低限読んで理解することを心掛けねば、指導者としてもお手上げになってしまう。

こういう中学生がいたら、どうだろう。漢字の同音異義語を書かせる問題。

◎豊かなカンセイを養う→閑静
◎犬のシュウセイを研究する→集成
◎イショクに困らない生活→異色
◎過ぎた日々をカイソウする→会葬
◎携帯電話がフキュウする→不休
◎複数の段落でコウセイされた文書→公正
◎森林伐採にコウギする→香気

一発で「阿呆」と思われる。
文章全体を読みもせずに電子辞書の変換ボタンを押しただけで、カタカナの部分だけしか見ていないとこういうことが起きる。こういう生徒は電子辞書を絶対に持ってはいけない。

一方、神尾塾には学習面で困難を抱えている生徒も通っているが、そういう生徒でさえジッと同様の問題文を読み返しながら一所懸命に辞書を調べている。上記の例の生徒は、読めば済むものを読まないだけの、ただの怠慢。

私としては、こういうことをされるのが最も「冷める」。自助努力をしない人間に、どんな天が味方するというのだろうか?

同じ生徒か別の生徒か、例えば理科の「オームの法則」を集中学習し、確認テストも含めて大方の問題を解けるようにさせていたとする。数週間経ってから同様の問題を宿題にしたら、空欄のままで提出してきた。仮に学習したことが頭の中から抜けてしまったとしても、集中学習した際のプリントを見返せばすぐに解ける問題だというのに。そんなちょっとした努力でさえ放棄する人間に、どんな天が味方するというのか?

他の一般的な塾だったら、120%お客様扱いされることだろう。お客様扱いとは、どういうことか。ここではこれ以上は言わない。私としては、生徒をそんな扱いにしたくない。生徒の意識に働きかける一進一退の戦いが今日も続く。