論語より

孔子とその弟子たちの言行録である「論語」。孔子が生きたのは今から約2600年前、日本にまだ稲作と金属器すら入ってきていない縄文時代末期に、中国で「儒教(じゅきょう)」という思想の元を築いた。以下、「徹底反復音読プリント」(小学館)より抜粋してみる。

◎学びて思わざれば罔(くら)し
子(し)曰(い)わく、学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し。思いて学ばざれば則(すなわ)ち殆(あやう)し。
→先生が言われた。「学んでも自分で考えなければものごとははっきり分からない。考えるだけで学ばなければ独断になって危険である」と。

◎吾(わ)れ嘗(かつ)て終日食らわず
子(し)曰(い)わく、吾(わ)れ嘗(かつ)て終日食らわず、終夜寝(い)ねず、以(もっ)て思う。益(えき)無し。学ぶに如(し)かざるなり。
→先生が言われた。「私は以前、一日中食事もとらず、一晩中寝もしないで考えたことがあった。しかし無駄であった。先人に学ぶのには及ばないことがわかった」と。

◎小人(しょうじん)窮(きゅう)すれば斯(ここ)に濫(みだ)る
陳(ちん)に在(いま)して糧(りょう)を絶つ。従者(じゅうしゃ)病みて能(よ)く興(た)つこと莫(な)し。子路(しろ)いかって見(まみ)えて曰(いわ)く、君子も亦(ま)た窮(きゅう)すること有るか。子(し)曰(い)わく、君子固(もと)より窮(きゅう)す。小人窮(きゅう)すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。
→陳の国で食糧がなくなり、お供の人が病気で立ち上がることも出来なかった。子路(孔子の弟子)が怒って孔子にお目通りして言った。「君子でも窮乏(きゅうぼう)することがあるのですか」と。先生が言われた。「君子ももちろん窮乏することがある。しかし小物は窮乏するとすぐ取り乱す」と。

以上が抜粋。1編目・2編目では、他者から学ぶことと自分の頭で考えることの大切さ、3編目では、「小人物は窮乏するとすぐに取り乱す」と言っている。目先の現象でいちいち心を揺るがせない、どっしり構えた人物になりたいものだ。