先日、阪急線正雀駅前の八剣伝で自動車販売・整備会社のマネージャーと酒を飲みながら話をしていたのだが、
これまでの自動車整備といえばネジを回して、油まみれになってエンジンを分解・組み立てる、というイメージが定番だけれども、最近は自動ブレーキやHONDAセンシングなどの安全運転支援システムといった先進技術がどんどん進み、整備工場もそれらに対応しなければならない段階に入っている、と。
そこで、国土交通省で現在検討しているのが、
【1】従来の整備工場としての「分解整備」
【2】先進安全技術の機能調整をおこなう「特定整備」
【3】1,2の両方が出来る整備工場
の3種類に整備工場に対する国の認証を分けていく方向性であるという。
自家用の自動車はAT(オートマ)車とMT(マニュアル)車に大きく区別され、私なんかは教習所を早く卒業したかったためにMTよりも簡単なAT限定の免許しか持っていないが、現在ほとんどの自家用車はAT車であり、AT限定免許でレンタカーでもカーシェアでも困ることは一切ない。
そして、このAT車とはつまりコンピュータが搭載されている車ということ。コンピュータが自動的に加速を調整し、スムーズなギアの入れ替えをしてくれる。
ここまでは充分「油にまみれて汗水たらして作業」の従来の自動車整備工場のイメージなのだが、この先の先進技術は更に本格的なテクノロジーの世界なので、整備士も最新の技術を常に勉強していかないと太刀打ちできない。
そんなわけで、先進技術に対応できない町の整備屋さんみたいな【1】の古典的な工場は淘汰されていく流れであることと、【2】は大手自動車メーカーが主導していく動きになるから、ある意味既得権益というか大手の会社や整備工場に有利な認証制度となり、結果としてトヨタやホンダといった大企業に連なる系列の業者しか整備工場も生き残れないのでは、という話であった。
また、整備士自身も、これまでは『勉強が嫌だから』『考えることが苦手だから』ということで手に職をつけるために「●●自動車大学校」を卒業して就職出来たものの、これからはますますテクノロジーの進化についていかないといけないから、
「従来のネジを回す系の訓練」と「先進技術でコンピュータを使いこなせる訓練」の両方を経て、その後もなお向上心と学習意欲のある人間でないと整備士として生き残れない。当塾の卒業生も、自動車整備の方向に進んだ人間が何名かいるが、彼らもこれから厳しい時代の流れにさらされていくのだろう。
余談だが、その話し相手のマネージャーはホンダ学園出身で、技術的にもメンタルケア的にも教育制度が業界で最もしっかりしているのはホンダ学園だ、と話していた。