全員が前期合格(県立入試)

一昨日の水曜日に県立高校前期選抜の発表があった。今年は中3生8名のうち6名が県立高校を受験したが、6名全員が前期での合格を果たした。これで小学生を含めて受験をした全員の塾生の進路が確定したことになる。

例年、よほどの安全校でないと前期で合格することはまず無い。Vもぎ判定でいうところの「S」「A」でまず安全、「B」でギリギリ前期合格をするかどうかというところだ。「C」判定で後期合格となる可能性が高い。「D」「E」は無理に近い。

ただ今回、1月Vもぎまで「D」判定の出ていた生徒が某校に前期合格したという例も出てきた。私としては水曜日の朝に生徒本人からの結果報告の電話を受けて大変驚いたのだが、その勝因を考えてみた。その生徒には中3になって自習課題の未完で数週間の授業停止のペナルティを課したこともあったし、調べ足りない・考え足りない・練習不足、「ツメが甘い」と事あるごとに指摘していたのだが、受験前最後の2ヶ月になってその点の課題がクリアされつつあるのは私自身が授業で実感していた。

いつ突然どのような過去問を(ある意味意地悪のごとく)出題しても、抜け目なく完璧に近い正答を出せていた。表面的に答えを覚えているのではなく、それが「理解」という深部にまで及んでいることも伝わってきた。その意味で、本人の粘りと努力の結晶が、無謀と思えた高校受験の成功をもたらしたようである。

「よくやった。」大いにたたえたいと思う。

神尾塾は広告宣伝で「学力不振からの脱出」を掲げているように、学力の高い生徒を集めて合格実績を誇示するスタンスをとってはいない。「あきらめていた」「まさか」と思うような学力不振の生徒にどれだけ適切な対策を施して、最善の進路に導くか。それは他の塾では敬遠する面倒な取り組みではあると思う。しかし、だからこそ私も仕事のし甲斐がある。

さて、また次の1年。火の無いところに煙を立たせ、地をはって一人ひとりと戦っていかねばならないのだと、絶望のような気分に襲われることもある。これが本音だ。