通塾の真価は20年後

当塾が大阪に移転してきて、一番長い生徒でちょうどこれで1年になる。
誰が、という訳ではないが、やはり1年。いろいろなことがあったが、この1年で一定のまとまりが出てきたように思える。

あいさつや返事といった日常の振る舞い、ノートの書き方、途中式の充実、真摯な練習、スムーズなカリキュラムの進み具合、復習から脱出して先取り学習、何よりも当事者意識。今でも完璧ではないけれども、1年前の状態のまま社会に放たれるのと、今の状態で社会に放たれるのでは、本人自身が運や仕事を引き寄せるレベルが全くといってよいほど異なるのではないか、と思う。

劇的に成績表の変化が見えたら更に嬉しいけれども、当人にとって少なくとも価値のある1年間だったのではないか、と思う。ただし油断をすれば穴に落ちるので、今後も何が起きるかは分からない。

さて、当塾に現役で通っている生徒が今「いい塾だった」と仮に思ったとしたら、それは嘘だろう。生徒自身にとっては特に通塾1年未満の生徒にとっては苦痛の方が大きいはずである。むしろ、卒塾して20年くらい、年齢にして30代中盤くらいになって「あの時の塾のあれはこういうことか」と気づいて、じわじわ意味を実感してくると私は思っている。