国府台女子学院中学・高校(市川市)

京成線市川真間駅から徒歩5分。小・中・高12ヶ年一貫教育の女子校。元々菅野校舎と稲越校舎(英語科)に分かれていたのだが、住友鋼管の大きな工場が移転し、その跡地を利用してキャンパスを拡張。平成24年夏に校舎改築が完成し、今は菅野校舎(小学校舎と隣接する中高校舎)で全ての生徒が学んでいる。

私立日出学園は本校の東隣に位置しており、こちらも住友鋼管の工場跡地を利用してキャンパス移転がなされた。さらにその東隣では東京外環道の整備工事を行っており、時間は掛かるだろうが完成すれば周辺の景色は一変するだろう。現在でさえ歩道が広がり商業施設も増えた。同じ通りに面する東京歯科大学付属病院、私立昭和学院も含めれば市川市の一大文教地区として大きく街が発展したといえる。

さて、本校は浄土真宗本願寺派(西本願寺)に属する仏教を基盤とした学校であり、龍谷大学を始めとする龍谷総合学園に加盟している。宗教教育としては、浄土真宗の開祖、親鸞聖人の生き方を学ぶことを通して、「自分がその場その場でどのように行動すべきか、行動規範を考える」ことを理念の軸にしている。

また、小中高12年課程であるために、中学受験・高校受験を経て入学する生徒もいることから在校生は偏差値40台から70台までの学力差が出ている。よって一人ひとりの個性・学力に対応するためにカリキュラムを細かく設け、特に高校での選択科目を多く用意している(仮に1クラス3名しか選択していなくても、その選択授業は開講する)。

土曜日は第1・3・5週目に授業を実施、第2・4週は休みとしている。ここにはあえて本校のこだわりがあって、週6日制を標榜する私立学校は現在増えているのだが、実態は教員の先生方の労働時間の問題があって土曜日に全員の先生が揃うことが出来ていない学校が多い。ところが全員の先生が揃っていないと習熟度別授業がフルに展開出来ず、本当に生徒のことを想うのであれば全員の先生が揃って万全の状態で授業をしたい。そこで、本校では土曜授業を第1・3・5週にしぼることで全員の先生を揃わせて「生徒のためになる」体制を作りこんでいる。

中学校は1クラスあたり、小学校から内部進学してくる15名と中学受験を経て入ってくる25名で編成をしている。生活指導は制服の着こなし(頭髪、生活全般も含む)をきちんと指導するようにしており、先生ごとの指示のバラつきを出さない、また先生が「見て見ぬフリをしない」ことを心がけている。

高校では普通科に加えて、英語科および普通科美術・デザインコースも設置されている。美術・デザインコースは入学時に適性検査で厳しく選抜されるために、入学生のレベルは高いものとなっている。これについては生徒作品を是非参照されたい。

高校受験での入学者は、公立の第1志望に落ちた結果、併願で「そっぽを向いて」本校に入ってくる生徒がほとんどという。しかし、そういう生徒こそ3年後の満足・納得・自信が最も大きく変化として表れるようになっているとのこと。

学校の、そして先生方お一人お一人の知性(インテリジェンス)が強く感じられる、字の如く『優秀な』学校である。