駿台学園中学・高校(北区)

京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅から徒歩10分。新鎌ヶ谷からは王子まで40分という意外の早さで行けてしまう。王子駅周辺には、順天、桜丘、東京成徳、安部学院、駿台学園と、北区の私学が集中している地区。その中の本校は王子警察署、税務署、ハローワーク、そして都立飛鳥高校と隣接している。

駿台学園は、駿台予備校とは関係が無い。本校の特徴としては天文台があり、毎月宇宙関連の学者・技術者を招いた天文講座を開催していること。また、声楽・バレエ・能楽のプロを招いた本格的な音楽祭、各界の著名人による駿台教養講座がある。「本物に接する教育」を標榜しているのだ。

勉強だけではなく、勉強以外のこと…部活動、趣味、その他課外活動にどんどん取り組んでもらいたいと願っており、「特選コース」では勉強と勉強以外の比率を7:3、「進学コース」では6:4、「スペシャリストコース」では5:5と考えている。

生徒比率は男子7割、女子3割であり、各学年200名程度が在籍している。高校では特選SS57、進学SS50となっているが、その割には今春国公立0、早稲田1、青山学院2、理科大1、日本大5、と進学実績が低すぎるように思う。大学の進学率は6割、専門学校2割、浪人他2割。

パンフレットに「試験で点数を取ることだけに長けた生徒を育成しても、日本のためになるだろうか?」という記載があるのはよく分かる。確かにその通りだと思うのだが、何か今ひとつ、生徒たちの間と目的意識のようなものが共有出来ていないのではないだろうか。実際授業を見学してみると、寝ている生徒、見学者を気にする生徒(私はこれをサル山と呼んでいる)が多く、とても整然とした授業という印象を受けない。書道に至っては、授業を見せたくないらしく、生徒に「ドアを閉めておきなさい」と指示する始末…。

恐らく、校長(兼理事長)先生が世襲であることも、学校をガラパゴス化させている要因と言えるのかもしれない。また、授業に入っている先生方が若い方ばかりな点も気になった。中堅が続かないのであろうか…。この辺は調べてみたい。

オンリーワンは大切である。しかし、自分たちはこれでいいよね、的な楽な方に安住してしまっているようにも見受けられ、今後の動向としては静観しておいた方が良いように思う。説明会で、校長先生のあいさつ時にマイクが入っていないことをスタッフが気づかないこと。こういう点にも、その学校のマネジメント意識のようなものが見て取れるように思う

厳し目に書いてしまい恐縮だが、率直にまとめてみた。今後の動向に期待したい。

追記
本校は、都内唯一の夜間定時制を併設しており、不登校の生徒にも対応している。また、校舎は築50年以上のようで年季が入っている。現在正門付近に1号館を改築中。他の校舎は廊下のカーペット化などを今夏施工。