聖徳大学附属女子中学・高校(松戸市)

北総線秋山・北国分駅から徒歩10分。東京ドーム2個分の広い校地にある落ち着いた雰囲気の女子校だ。音楽科(生徒比率15%)が併設。

1,2類(生徒比率25%)は偏差値56で八千代松陰、中央学院のS特進と同ランクである。今春は早慶上理の合格率30%を達成した。3類(生徒比率60%)は偏差値47で、二松学舎柏、昭和学院と同クラスになる。ちなみに進学率は、外部の四年制大学へ50%、系列の聖徳大学(女子大)では30%、その他短大・専門学校を除いて浪人は4%に満たない。就職はほぼゼロである。

他校の進学校化の流れで本校も来年度から「S選抜」コースを開設する。これまでの1類の上位層を安定化させ、定義づける意味合いがある。中学受験ならば首都圏模試55が目安という。

さて、本校の特徴は何よりも礼法教育にある。小笠原流礼法を6年間必修とし、中学、高校それぞれの卒業時点で履歴書に書ける免状を授与される。校内には私学随一と思われる礼法室が完備され、学校見学の際には是非チェックしたい。学年ごとに姿勢、食事の作法、正座の仕方、日本建築の知識、浴衣の着装、熨斗(のし)の折り方、煎茶、ビジネスマナー、冠婚葬祭の心得を学んでいく。

また、書道も週1時間ずつ6年間必修となっている。「一人の女性として豊かな教養を身につける」ことを目指し、「勉強よりも先にするべきことがある」というのだ。他校のように受験サイボーグになって、思わず学校運営が受験オバケに足を取られそうになってしまうことがある。しかし、そこであえて「礼法」を、あえて「書道」を行うのが聖徳女子だというのである。

私は川並校長の若さとフットワークの軽さと、「川並校長=聖徳」であるように自己と学校が同化しているように見受けられることが何よりも好ましく感じられるのである。昨年秋にご病気をされたとのことで、かなり痩せていらしたのが気になったが、生徒を安心して預けられる学校とはこういう学校のことを言うのだろう。

女子教育は国の根幹である、と私は思う。父親はともかく、母親が賢母であれば、子供もよき人間に育つと私は信じている。

追記
今年も説明会冒頭に千葉県トップレベルの実力をもつ吹奏楽部の素晴らしい合唱と演奏を聞かせてもらった。