自由裁量

私は出来る限り「自由裁量」を大切にしている。必要最小限の枠組みを立てたら、後は出来るだけ生徒本人に判断させ、行動させるように仕向けることを心掛けている。自習についても、極力静観するように努めているが、やはり中間・期末テスト直前で「定時に」自習を終えて帰宅する生徒を見ていると、この子は何を考えているのだろう?と疑問に思えてならない。

恐らくテストに対する意識の低さ、恐怖感の無さが原因と思う。手近な話でいうと、テスト結果は内申点に直結し、次の進路に大きく影響する。行く高校によって、大学・専門学校・就職の進み方も大きく異なり、詰まるところ人生設計(職種、生涯賃金、家族計画)に大きく影響してくる。

そこまで中学生がリアリティを持たないとしても、少なくとも「テスト前だ、勉強しなきゃ」という漠然とした恐怖感のようなものが、生徒たちから年々大きく薄れてきているように感じる。私自身でさえ、中学生の時はテスト前に徹夜せざるを得なかったし、その分テスト最終日の達成感・爽快感は今でも忘れられない。

自習に来る、ということが形骸化してしまって「2時間半いればいいんだろ」と、思考停止に陥ってしまっているとしたら、大変残念である。テストに対しての「意識」については、将来設計も含めて、たまには家族会議を開いて家庭でしっかり話し合っておく必要がある。