東海大学付属大阪仰星高校・中等部(枚方市)

関西からの視点、関東からの視点、そのギャップを強く感じたのが昨年訪問した早稲田摂陵高校。

「どうしても早稲田大学に行きたい!」と熱望する関東人が、寮生活を前提に受験してくる早稲田摂陵。しかし関西人から見てそこまでして早稲田摂陵を受験したいかといったら、恐らく疑問。

東海大も何となく似たようなギャップを感じる。
関西人から見て、東海大仰星が当初から受験校として大きく視野に入るかと言えば、それほどでもない気がする。

しかし、これまた関東人から東海大を見た時に、首都圏の古典的な大学群で言うと

「早慶上理ICU > GMARCH > 日東駒専 > 大東亜帝国 > … 」

大東亜帝国の「東」が東海大学となり、関西人が視界にかすりもしない所を、関東人の視界には東海大学が比較的魅力的に映ってくる。そして、その付属校も高輪台や浦安など地味に人気が続いている印象がある。

こういったギャップを踏まえて、
関西人から見た東海大仰星は、東海大学のスケールを背景に置いた東海大学の付属校としてではなく、枚方にある「東海大仰星」という単立の学校として見られているのではないか。

仮に、関東人にしてみれば「どうだ首都圏の学校だぞ」と鼻高々に自負していても、そんな自己満足は関西人にとってみれば屁の様なものだろう。

さて、
2016年5月の東洋経済新報社の調査による、国内学生数ランキング。

1位:日本大学(7万)
2位:早稲田大学(5万)
3位:立命館大学(3.6万)
4位:慶応義塾大学
5位:明治大学
6位:近畿大学
7位:東洋大学
8位:法政大学
9位:関西大学
10位:東海大学(3万)

東海大学は神奈川・東京・静岡・熊本・北海道にキャンパスを持ち、医学部、海洋学部(国内唯一)、体育学部、農学部、また工学部航空宇宙学科(国内初のエアライン養成科)など幅広い領域を有する総合大学である。

受験競争に揉まれて何が何でも東海大を目指そう、という位置づけではないが、戦前の創立でもあり首都圏では地位を得ている大学の一つといえる。

もう一つ、余談。
熊本と阿蘇に東海大のキャンパスがあるのは、創立者の松前重義(1901-1991)が熊本出身だからであろう。そして、その松前重義は地元を離れて現在の東北大学の電気工学科を卒業後、逓信省に技官として勤め、昭和17年(1942)には航空と電波の専門学校をそれぞれ設立している。これが東海大の前身となるが、

昭和35年(1960)には東海大学として国内初の民間によるFM放送をスタートさせている。それが「FM東海」である。東海大といえば校舎の上の赤いアンテナが定番。現在でも湘南や代々木などの各キャンパスの校舎屋上にアンテナがそびえ立つのは「FM東海」の名残かもしれない。

FM東海は、現在のFM東京(TOKYO FM:1970年開局)の前身で、なんばhatchにあるFM大阪(FM OSAKA)はFM東京の系列局である。塾生の保護者世代が学生の時にFM大阪で聞いていたであろう「ジェットストリーム」は「FM東海」時代の1967年に開始された、今に続く深夜の名物番組である。

そんなこんなでやっと本題に入るが、
本校は首都圏の雰囲気を引きずった東海大学の付属校、ではなく、枚方にある枚方に根付いた枚方の学校である。

というのは2021年の大学入試結果において
現役のべ合格者数620名のうち、東海大への内部推薦が51名。他に一般入試での合格者を加味しても、東海大へ進学する生徒は例年10%程度ではないか。

のべで見ると現役生の進路割合は
◎国公立大学2.3%(2021年で和歌山大など)
◎東海大8.2%(推薦のみの数字)
◎私立大学79.1%(関関同立の現役合格は10%)
◎短期大学3.2%
◎専門学校6.4%
◎就職0.6%
となる。

本校の方針としては、文武両道。「”学校らしい学校”を目指している」という説明になるほど、と思う。部活動の実績もサッカーやラグビーなど、大阪または関西地区での優勝レベルと見て良い。野球部は2019年の甲子園で全国ベスト4に入った。

とはいえ、本校は特定の部活動を強化指定してスポーツ推薦で強い生徒だけを集めることはしていない。普通に勉強をして受験を経て入学してきた生徒が力をつけてスポーツでも実績を出すということだ。

中学入試を見ていると、2021年で競争率が平均1.2倍も出ており、入試としては易しいわけではない。中学入試は特に隔年現象が強く出ており、2018年・2020年と志願者増、2019年・2021年と志願者減のジグザグを繰り返しており、隔年現象でいけば2022年入試は志願者増となるだろう。長い目で見れば、ある意味安定しているとも言える。

適切に身体を休めながら部活動を継続し(加入率92%)、基礎学力を整え、補習・進学カリキュラムを充実させながら、ICT授業の導入(iPadの全員所有、Class i・ロイロノートといった授業支援アプリの全員加入)や海外留学と、「THE・中学校生活」「THE・高校生活」を一通り本校で満喫できる感じ。

先ほどの「”学校らしい学校”を目指している」というのは、そういうことだろう。学園生活を大いに充実させながら、次の進路に向かって地道に生徒を輩出し続けている学校である。

<アクセス>
京阪枚方市駅から交野線に乗り換えて、村野駅下車880m(約11分)

(2021年8月27日)

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