音楽で食べていく道

「音楽を進路に選んでも、将来食べていけないから止めなさい」
年配の方だったら、まだまだこう言うだろう。

半年ほど前、淡路島にある「のじまスコーラ」で食事をする機会があった。

淡路島でも明石海峡大橋に近い北部はパソナが観光地化を進めており、現在では「淡路島西海岸」と称して、おしゃれなレストランやショップが続々とオープンしている。

その中にある「のじまスコーラ」は廃校となった小学校をリノベーションして、カフェやレストラン、ベーカリー、地産地消のマルシェ、ミニ動物園といった家族連れで楽しく過ごせる施設だ。

さて、2階のレストランで食事をしていたら、背後から突然歌声と共にピアノの演奏が聞こえてきた。

「えっ」と思って振り返ったら、先ほどまでお皿を運んでいたスタッフさんがピアノの鍵盤を叩き始めたのだ。

これは仕事と音楽活動のダブルキャリアを実現すべくパソナが始めた「音楽島」というプロジェクトで、ピアニストやバイオリニストといったプロの音楽家が社員としてパソナに所属し、観光施設の運営に従事しながら合間に音楽活動をすることで施設の価値を向上させる、一石二鳥の取り組みとなっている。

音楽家が音楽でしか食べていけない時代は終わったのだ、とつくづく思った。

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