自分の仕事を自分で創る

中3生は、おそらく、今まで経験したことのないくらいの分量の勉強をこなす日々を送っている。私も「わんこそば」の如く、次から次へとたたみかける様に教材を生徒にぶつけて、期限を設定し、自分で考えながら、参考書を調べながら、どこまで自力を引き出すことが出来るのかを観察し続けている。で、生徒達が自習スペースに来ても一切私語をすることもなく、皆思い思いのペースで自分の作業に取り組んでいる姿は、本当に胸を打たれるものがある。

最近思うのは、私が教える事は最小限でいいのだ、ということだ。結局、例えば80分間ずっと私が講義を垂れ流しにしても、それが生徒の中に消化されて蓄積されていかなければ何の意味もないし、結果に繋がるわけもない。私がやるべきことは、むしろ本人たちが自分の手を動かし、頭を動かし、自分なりにそれなりに作業に集中して取り組める環境を作ってあげること、そのための生徒の思考と作業の交通整理、ナビゲーションをしてあげることなのだ。その進行にとって足りないもの、今すぐ埋めてやらねばならぬ知識・考え方があれば、それは全霊を投げ打って今すぐ教えてあげる。

そういう意味でも、今の中3生の授業方法を、新年度の早い段階で現中2、中1、小学生に適用していきたいと考えている。「習慣」として出来るだけ毎日来させる仕組みを作りたい(一部生徒は既に取り入れているが)。放任するのではなく、しっかりこちらが管理をしながら、ある程度泳がせる、そして自分で歩かせる。

神尾塾にしばらく通ってくれている生徒の一部には、来塾して私が何も指示しなくても、自分で作業を見つけて黙々とそれに取り組んでいる生徒もいたりする。まさに「自分の仕事を自分で創る」だ。これは大人になってから大いに生きてくるだろう。仕事は与えられるものではない、自分で創るものだ。自分で仕事をつくって、自分で稼いで、自信をもって生きていける大人に成長して欲しいと願うばかりだ。