教科書展示会

西長堀の市立中央図書館で開催中の教科書展示会に行ってきた。
小学5~6年の英語の教科書は助動詞canを用いた会話など、従来の中学1~2年で扱ってきた文章が多数並んでおり、文法として「覚えなさい!」「正確に書きなさい!」ということではなく、様々な英語表現に親しませるニュアンスで構成されている。

小学6年の算数では、線対称や点対称、x,yを用いた文字式といった、こちらも従来の中学数学で扱ってきた単元が多数並び、処理が追いつく生徒と追いつかない生徒の格差が広がるだろうと感じた。中学1~3年の数学ではそれぞれ巻末に「資料の整理」(情報処理)に関する単元が掲載され、度数分布表や累積度数といった、数字を扱うことが苦手な生徒にとってはますます数学嫌いになるような単元が付いてくる。

私は「ゆとり教育」の始まる以前の世代であるが、当時の教科書に比べても今の教科書は厚くなり、練習問題の掲載量も増えている。学校で教科書や問題集を受け取り、塾でテキストを買い、バッグの中がずっしりと教材だらけになってもそれは業者の利益につながるだけで、実際生徒たちがそこからどれだけ真摯に学びを得られているのだろうか、と思う。

数学の教科書ひとつ見ても、大変丁寧に解法が記されており、勉強が苦手な生徒にとっては学校や塾であれこれとたくさんの教材に手を出すよりも、教科書たった一冊を繰り返し練習すれば劇的に力がつくことは間違いない。それなのに、たくさんの教材に埋もれているのにほとんど収穫を得ることがないのは、それが「消費社会」だということなのだ。