小6から中3まで現在使用している自習課題(夏期テキスト)は、一般的な学習塾で夏期講習に使用される教材で、一日一単元を授業で進めるように設計されている。これを当塾では数週間程度の期限を設け、一冊丸ごと生徒に課している。(生徒によっては提出範囲を減らす場合もある)
一冊丸ごとであれば分量も多く、ハードル高く感じる生徒もいるだろうが、低いハードルばかりでは成長しないのも事実である。
進め方としては「まず一度解いてみる」→「丸つけ」→「解き直し」→「丸つけ」→「解き直し」、この手順を繰り返す。当然丸つけは私が行う。生徒は「また解き直しか」と思いながらも、繰り返し問題に触れるうちに初見の抵抗感が薄れ、少しずつ参考書や問題集で類題を調べるようになる。
ここで大切なのは、出来る限り自力で答えを出すことだ。
当教材は復習内容で構成されており、新出事項を自分で調べろと言っているのではない。やはり、普段の学校の授業を大切にしなければならない意識づけも兼ねているし、何よりも自分で解かなければ身につかない。
先生が答えを教えてくれたものは記憶に残らず、教えてもらうだけの行為は、よほど本人に当事者意識がなければ生徒の思考停止しかもたらさない。指導側にとっては「教えるべき場面」か「教えるべきでない場面」か、この見極めが力量を最も問われる。
さて、何度も解き直しを繰り返すうちに、大体の問題は生徒自身で解けてくる。火事場の馬鹿力というが、普段の学校生活、塾生活で受け身の生活を送っているうちに「自力」は封印されやすい。
解き直しを繰り返させるのは、その眠っている自力を目覚めさせる目的もある。常時「火事場の馬鹿力」状態を発揮できるように促すのだ。解けない問題に足を引っ張られず、解ける問題を先に要領よく進めることもここで学んで欲しい。
やがて、どうしても解けない問題がしぼられてくる。そこで初めて、私の方からピンポイントで別教材を用いて類題練習をさせたり、ヒントを出したりする。この「どうしても解けない問題」を極限まで搾り出すことがとても大事で、その残った「どうしても解けない問題」を、ここで初めて生徒と一緒に解いていく。
生徒をこうして当事者の場に引きずり込む。生徒も指導側にとっても手間は掛かる。しかし、ここまで執念深く取り組ませなければ力はつかない。
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