先週のH・K君からのメールについて。(HPでは非公開)
中1から高3までの彼を思い出すに、
◎中学=目の前の仕事を誠実に、しっかり取り組む
◎高校=さまざまなことにチャレンジして、自分の向き・不向きを知る
大きく分けてこの2段階だった気がする。
入塾当初、彼は市販教材『くもんの小学ドリル』のさかのぼり学習から開始した。過去学年の復習は「何となくできる」を「確実にスピ―ディーにできる」に変える地道な取り組みのため、「こんな問題ばかり解かされ続けてよいのか?」と生徒自身が疑問を持つこともあり得る。
しかし、圧倒的に基礎が不足している者にはこの過程が必須である。彼はこの段階を「やっつけ仕事」にせず、誠実に成し遂げた。この基礎力を土台として、定期テスト、そして高校受験を「させられている」のではなく、当事者となって主体的に取り組んだ。
そして高校に入ると、自分の進路に不安を持ち「とにかくやってみよう」と、例えばお姉さんが通う大学の簿記講座を受講しに行ったこともあった。
頭の中だけで「ああでもない」「こうでもない」と考えをめぐらせるだけでなく、彼は実際に足を動かすことで、その世界が自分に向いているのか・向いていないのかを根拠をもって理解した。現場に入って初めて知ることのできるリアリティと世の中の仕組みの細かなニュアンスの違い、つまり社会生活の面白さも知ることが出来た。
ドラッグストアでのアルバイト、またアルバイト先での仕事を任される経験、さまざまな社会人との交流。そんなことも彼自身の思考訓練となり、その先に出会ったのが近所のコンビニ跡地に開設された児童デイサービス施設でのボランティアだった。
大学受験、そして先週のメールに書かれた内容はこういった積み重ねの延長線上にある。
彼から学べることは、高校3年間は徹底的に「自己分析に充てるべき」ということである。自分は何が得意・苦手なのか、何が楽しい・楽しくないのか、自分についてあらゆる角度から分析し、自分に問い続ける。
その場ですぐに答えが出なくても、考えること自体が大きな一歩を踏み出しているので、時期が来れば必ずその答えは出てくる。
サントリー創業者の鳥井信治郎氏が遺した言葉に「やってみなはれ、やらなわかりまへんで」がある。H・K君はまさに「やってみはなれ」を実行した。
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