先週の木曜日、塾近くの本町通の歩道にて。
赤信号で停止していたら、横断歩道の向こう側にも信号待ちが4人いた。ビジネスマンらしき4人のうち、3人がスマホを見ている。
信号が青に変わって私は横断歩道を渡り始めるが、3人は相変わらずスマホを凝視したままジッと止まっている。信号に気づいていないのだ。
不思議なことに、両横の3人が動かないものだから残りの1人も止まったままでいる。むしろ「歩いていいのかしら?」といった表情をしている。
私が横断歩道を渡り終えて、彼らの脇をすり抜けようとしたタイミングで3人はようやく信号に気づき、歩き始めた。残り1人も動き出した。
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ここで私は2つの現象を見たことになる。
<1>スマホの画面を見る生活が当たり前になって、小さな画面の中の動きは細かく目で追っているが、自分を取り巻く大きな全体の構図を見る力は弱まっている。
<2>自分は進みたいと思っても、周囲が動かなければ自分も動けない。
最近、幼稚園の送迎バスで車内に園児が取り残されたとか、観覧車のゴンドラに客が乗ったまま運行終了してしまったとか、<1>のように全体を「見る力」の落ちている人が増えていることも一因ではないか。
次に、非常時に避難すべき場面でも周囲が逃げなければ自分も逃げようとしない現象を「同調性バイアス」と呼ぶらしいが、<2>はそれである。
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こんな身近な、本町通の横断歩道でさえ、事件や事故につながるような因子が転がっているのだ。
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