水木サンの幸福論

「幸福の七カ条」と、日経新聞に連載された「私の履歴書」を中心に構成された一冊。
40歳過ぎまで鳴かず飛ばずで漫画を描いても売れることもなく、住む場所も食べていくための職業も次々に変わって七転八倒の人生。

水木さんの濃密な人生体験を読んでしまうと、自分などまだまだ甘ちゃんだな、と思わされる。

(抜粋ここから)

◎第2条 しないではいられないことをし続けなさい

打ち込めることを真剣に探そうとするマジメな人たちには、案外それが見つからないものだ。実は、見つけるのにはコツがある。簡単なことですョ。好奇心を大事にすればいい。好奇心がわき起こったら、とことん熱中してみる。これが近道であります。そうすると、「しないではいられないこと」が姿を現してくる。

それでも、姿を現さないなら、ベビイのころを思い出してみなさい。無我夢中で遊びや趣味に没頭したころを思い浮かべてみるのです。(P.15)

◎世の常識を授けてくれる学校は大事な場所だ。しかし、学校の成績は下がるかもしれないけれども、興味を持ったり、心を動かされたりしたことは、周りからどんなにくだらないと言われても、とことん突き詰めるのは本当にいいことだ。

どんなにアホと言われる子どもでも、何か優れた能力があるものだ。超能力といってもいいかもしれない。熱中する能力、いわば「好き」の力ほど、人生を生きていくうえで大事なものはないような気がする。

そういう能力や興味や好奇心を引き出すのが本当の教育なのではないか。始終廊下に立たされてはいたけれども、先生たちは変な子どもの私に優しかった。講堂での屁のことも、生徒の間では有名だったが、先生たちはまるで知らないと思い込んでいた。しかし、職員室でしょっちゅう話題になっていたと後から聞いた。(P.52)

(抜粋ここまで)

『水木サンの幸福論』
水木しげる・著(角川文庫)
https://www.kadokawa.co.jp/product/200609000237/

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