【アクセス】
近鉄大阪上本町駅から、ホテルアウィーナ大阪(公立学校共済組合宿泊所)の脇を抜けて南に徒歩6分(450m)。
もともとグラウンドがあった南キャンパスに2019年、新校舎が竣工。そこから道路をはさんで旧校舎のあった北キャンパスは、従来からの体育館と人工芝のグラウンドで構成されている。
【歴史】
明治23年(1890)浄土宗大阪支校が設立。明治45年(1912)からは旧制上宮中学校として一般生の受け入れを開始。昭和23年(1948)に新制上宮高校が発足。昭和44年(1969)上宮中学校は募集停止するが、昭和60年(1985)に南河内郡太子町で上宮中学校を再開して後に上宮太子中に改称。平成5年(1993)に現在の地で上宮中学校を復活させる。長らく男子校だったが、平成23年(2011)に共学化。平成30年(2018)に上宮中と上宮太子中を統合して上宮学園中となった。
中学校と高校で校名が異なるのはそういう理由。
【コース編成】
<中学校>2022年度323名(男子68%:女子32%)
◎特進コース(1クラス)
◎Gコース(2クラス)
中入生は上宮高校または上宮太子高校に進学。
<高校>2022年度1905名(男子65%:女子35%)
◎高1
+高入生+
パワーコース(難関国立大を目指す)
英数コース(部活動と両立しながら国公立大を目指す)
プレップコース(高大連携・指定校推薦を活用した私大現役進学を目指す)
+中入生+
特進コース
英数コース
6か年プレップコース
高2で若干のコース再編があるが、高入生と中入生は別プログラム。
高3で一部コースは高入生と中入生が混合する。
◎高3
国公立1型・2型(国公立大、高入生・中入生混合)
プレップコース(私大連携・推薦・一般入試)
6か年プレップコース(私大連携・推薦・一般入試、中入生のみ)
※ややこしいので若干の事実誤認があったら御免なさい。
【宗教情操教育】
◎祖山参拝(京都・知恩院)
◎週1時間、宗教の授業
◎毎月25日に法然上人の御忌式
【上宮ルーブリック(=成長の物差し)】
<掃除>環境美化・整理整頓・心を整える
<勤行>マナーと礼儀・人物の成長・精進努力
<学問>大志を持つ・能動的に学ぶ・知恵を養う
これらを5段階評価として、最高「5」の完成された上宮人を目指す。
【クラブ活動】
<中学>
クリケット、弓道、フェンシング、天文物理、鉄道研究など特徴的な活動が多い。
部活動加入率は約8割。
<高校>
書道部と書道パフォーマンス部が別にあったり、運動部では山岳部、ゴルフ部など、高校もバラエティに富んでいる。クリケット部は他校にないため、大学との交流戦が多い。水泳部は年間を通して校内の温水プールを利用する58名の大所帯。
男子ソフトテニスはインターハイ団体戦5位。書道パフォーマンス甲子園では第3位。硬式野球部は地方大会ベスト4。ストリートダンス部は西日本大会優勝レベル。
【卒業後の進路】
2021年度の卒業生549名のうち、進学が93%。その他は留学・浪人、就職1名となっており、現役の進学率が高い。国公立大受験者には本人の意に沿わずに地方の国公立を無理矢理受験させるような指導はしていない。(某校を念頭においての発言か!?笑)
高校プレップコースは高大連携・指定校推薦を活用するが、高大連携入試では2022年度で関大23、立命館14、近大33など、300名の枠を確保。指定校推薦では同志社9、関学2など計791枠。
【関関同立・産近甲龍の割合】
2022年度入試では私大合格715名のうち
◎関関同立101名(14.1%)
◎産近甲龍176名(24.6%)
【校内見学】
クラシカルで上品な新校舎。講堂のシャンデリアも美しく、費用のかけられた素晴らしい校舎である。先生方の物腰は実にていねいで、その雰囲気はやはり宗教教育を基盤に据えた学校だからであろう。
校舎の隅々まで見せていただいたが、玄関には小型のロッカーが設置してあり、生徒は朝の登校時にそこで携帯電話を預ける。特に定期テスト中に携帯電話の着信音が鳴った際には厳正な対処をされる模様。そうならないように生徒は自律的に小型ロッカーを活用しなければならない。そういうことも含めて、学び舎を正しく活用するように先生方の目がしっかり行き届いている。
北キャンパスでは人工芝のグラウンドで体育の授業。本校の体育は中高ともに男女混合。ただし、種目が選択できるため、水泳の苦手な生徒はバスケットボールを選べるなど、生徒の適性に応じているのは他校にない魅力。
さて、校内見学を引率してくださった2名の先生が対照的でおもしろかった。この日は台風が過ぎ去ったあとで大阪市内は猛暑に見舞われたが、北キャンパスの体育館に向かう急階段で一方の先生は「みなさま、お足元は大丈夫でしょうか」と上宮の先生らしい丁寧な声掛け。一方の先生は「さあ、健康のために頑張ってのぼって下さいませえ!」と見学者に奮起を促す声掛け。
この絶妙なバランスが都会のど真ん中で130年続いてきた伝統校の生き続ける秘訣なのだろう、と思った。部外者にとってはつい仏教の学校、校則が厳しいイメージの学校、と表面的な印象でその学校を見てしまいがちだが、その奥にある、ある種の伸びやかさ・アグレッシブな土壌というのはやはり校内見学をして初めて体感できるものだと改めて痛感する。
本校は上町台地に位置する数ある私学の中でも特に、高校卒業後の進路を放置しない、高い確率で次の進路に繋げた上で卒業させているのが一番の特徴。他校にありがちな、浪人させてでも合格数を増やして「○○大学○○名合格!」を看板にすることを最優先にしていない。そういう世間受けするような価値観を超越しており、先の現役進学率93%という数字がそれを物語っている。
(2022年9月15日訪問)
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