日大背任事件

なぜ日大生は怒りの声を上げないのか?という意見を目にするが。

こちらのサイトによると、2020年5月時点の学生数順位。

1位:日本大学(66,540)
2位:早稲田大学(38,642)
3位:近畿大学(33,234)
4位:立命館大学(32,243)
5位:東洋大学(30,592)
6位:明治大学(30,399)
7位:慶應義塾大学(28,733)
8位:東海大学(28,504)
9位:関西大学(28,369)
10位:法政大学(27,605)

日大は断トツ1位。
関西では、近畿大学が学生数・レベルともに顕著な伸びを示しているが、近大もルーツは日大である。

一つの学科に含まれるコースを増やすことで、学科を学部に、コースを学科に昇格させていく。そのようにして大学の規模を拡大する手法が日大に見られるが、増殖させる遺伝子が日大系列に流れているのかもしれない。

その日本大学。現在は16学部87学科、短期大学部4学科、通信教育部4学部、大学院19研究科を有する日本最大の総合大学。規模が大きい「イメージ」から、大教室に大人数の学生を詰め込んで講義を行う「マスプロ教育」を連想されるが、実際には学部ごとにキャンパスが独立しており、サークル活動も学部ごとに完結して、学生が学部の垣根を越えて授業を受けたり、他学部の学生同士が交流することが少ない。つまり、小規模の単科大学の集合体が日本大学なのである。

今回の背任事件は、日大生にとってみれば「日大」というネーミングが共通しているだけで、遠い世界の出来事に思えているのではないか。
大阪府外の人間が、例えば岬町で起きた事件を聞いたら「大阪か!大阪市は大丈夫か!」と岬町も大阪市も一括りに見てしまうが、大阪市民にとってみれば「岬町?どこ?」みたいな遠い感覚である。

日本大学という見かけの組織の下に、各学部がブドウの房のようにぶら下がっていて、その遠くにある房の一つが「本部」を名乗って、それぞれの房から利益をチューチュー吸い上げている印象。構造的に「本部」は閉ざされやすく、その閉ざされた「本部」に一部の体育会系が入り込んで牛耳ってしまえば、腐敗も起こりやすい。