仕組みをつくった者が勝つ

食事のできるお店を予約しよう、と思った時にホットペッパーを利用するご家庭の方は少なくないだろう。塾ならばチラシなど紙媒体を印刷する時にラクスルという業者を利用することがある。また、今や三越伊勢丹の業績を抜いたともいわれるメルカリで物品の売買をされている親御さんもおられることだろう。

これら、全てに共通することは「仕組みをつくった者勝ち」ということなのだ。

例えば美容業界ではホットペッパーを利用しない集客はもはや有り得ず、ホットペッパーを展開するリクルートでは美容サロンのPOSレジから日頃の帳簿管理までサロンボードというシステムをホットペッパーと同時に稼動させることで、それぞれの美容室がこのシステム無しには運営していけない状況にもなっている。

このように、完成度が高く、便利で効率のよい仕組みを莫大な費用をかけて構築し、それを顧客(B to
B:企業間取引)に提供することで、費用を回収するどころか更に莫大な利益をもたらして次の事業展開に臨んでいく、という流れが成功している企業の好スパイラルである。

文部科学省では2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されるが、なぜプログラミングかと言った時に、単にホームページやロボットを動かす、という小さな目的だけではなくて、その後に「勝てる仕組み」を作ることのできる人間を国を挙げて育成していこうという意図が欠かせないように思う。

身近な例で言うと、私の場合でも買物をする時に現金決済をすることが本当に面倒に感じるようになってきた。Suicaのような電子マネー、クレジットカードを使う機会も増え、またイオンに行けばWAONポイントカード、ガソリンを入れる時にはPontaカード、近所のすばる書店ではTカードと、これら全て「仕組み」の中にどっぷりはまった生活に既に入っているのだ。

2045年に人工知能(AI)が人間の脳を超えると言われているが、この仕組みをつくる者と仕組みの中で泳がされる者の差、これがまさに格差社会であり、高度知的社会に向かって加速度的に世の中が進んでいる以上、その現実の中で自分がどのように足のつける地を求めていくのか、という分かるような分からないようなことをこの1週間考えていた。

どう考えても、学生でも社会人でもどのような段階・分野であれ勉強が必要。勉強なんか、とゴネている間に世の流れから放置されていく厳しい時代に入っていることは間違いないだろう。