計算が大切だという理由

小学生の算数は、文章題や図形など各学年の総復習を並行しながら、とにかく「整数・小数・分数の四則混合計算」を早期に習得することを目指している。というのは、これを習得し、反復し、正確かつスピーディに数字を処理できるようになると、算数の応用問題、中学以降の数的処理、また理科や近年社会科でも出題される資料問題に対して、足を引っ張られる要因を減らすことが出来るからだ。最新の教科書の中で比重が増えつつある「データの活用」は基本的な計算力の有無で致命的に成否が決まる。

足を引っ張られる要因が減るということは、ある種の「自由」を獲得するということで
陰山先生の仰る「基礎ができて主体的に学び始めた」とは、「自由になった」ということである。

いちいち計算ミスをしたり、やたらと筆算に時間がかかったり、そういった初歩的な部分で足を取られると、どうしてもその先の上位活動が制限される。気持ちの面では新たな問題にチャレンジしたくても、手先が追い付かないから上位問題へのチャレンジそのものを忌避するようになる。