短い時間を無駄にしない

今回も森信三先生の『修身教授録』より。

「短い時間を無駄にしない」という考え方は「人間は必ず死ぬ」という自覚を前提として芽生えてくる。

反対に「死ぬ」前提がなければ人間は成長しない、とも言える。死ぬことがなければ今の時間が永遠に続くと思い、「まあ、明日でいいか」と思えることの連続になってしまうからだろう。

自分の行く先に必ず「死」が訪れると思えば、では今のうちに何が出来るのか?と本気で考え、無駄な時間が生じることに我慢出来なくなる。自分にとって何の成長にも繋がらない時間を過ごすことに心の底から嫌悪を感じるようになるのだ。

当塾で私が生徒に対して厳しめに注意する場面があったとしたら、その原因の一つに「無駄に時間を浪費すること」に対する警鐘が含まれている。

自分だけが時間を浪費するならばその人の自由だが、相手を巻き込んで相手の時間をも浪費させることになれば、それは「罪」であろう。