Y・T君(中3)

私は、塾に入ったばかりのころ、授業の延長が正直嫌いでした。理由は早く帰って、テレビが見たかったからです。この考えが変わったのは、三年生になったころです。受験を意識し始めました。そして一つ一つの授業を丁寧に受け、延長をなんとも思わず、逆に先生はよく厚意で授業の延長をしてくれるなと思うようになりました。そして自分の行きたかった高校に合格することができました。その瞬間はとても嬉しかったです。

私は塾で本気で学ぶ意識を持つのが、すごく遅かったと思います。新しくKJラボに入る人には授業の延長も宿題も、自分の為になって力になる事を気づいていなければ、気づいて欲しいです。

私は先生は生徒一人一人に本気で向き合ってくれているので、新しく入る人は最初から塾と本気で向き合って欲しいと思います。

・・・Y・T君は小学6年の4月から丸4年通ってくれたことになる。免疫に関する1年弱の入院生活を経て、リハビリも兼ねた地点から通塾が始まった。その後健康を取り戻して中学校では水泳部にも参加。

特に中学3年の1年間は本当によく頑張ったと思う。自習スペースも自分から予約を取って積極的に活用し、主体的に勉強する姿を見せてくれたのは立派だった。

勉強しているかどうかはちょっとした問答の場面で瞬間的に表れるもので、Y・T君が持ってくる質問も、「勉強してます」アピールの要素は一切なく、Y・T君自身が自分の頭で考え、それでも分からないところを質問するという、着実な段階を経たものであった。

Y・T君が偉かったと思うのは、小学6年の当初から、誰かが床に落とした鉛筆をさり気なく拾ったり、誰かが仕舞い忘れた椅子を代わりに仕舞ったり、誰かが残した消しゴムのカスを片づけたり、誰かが引っ掛けた足元のコンセントを直したり、誰も見ていない所で自主的に善行をするという、今の時代には珍しい「陰徳」を積む子であった。

神様がいるとすれば誰を応援するか?となれば、やはりY・T君を応援しない訳がないだろうと思うのである。

私は正直言って、Y・T君の高校受験は無理なく私立で着地させてよいと思っていた節がある。ところがY・T君は私立合格後に自ら困難な道を選んで公立高校の受験を希望した。

最終的に府立大阪ビジネスフロンティア高校(OBF)の合格をつかみ取った。私立高校の授業料無償化で多く公立高校が定員割れを起こす中、OBFは人気校なので不合格者も多数出た入試である。Y・T君は見事に高校受験を勝ち抜いたのである。

最後に、卒塾感想の作文に添えられていたミニレター。

先生へ
今まで本当にありがとうございました。KJラボで四年過ごして、とっても人間としての色々な力が身についたと思っています。先生に迷惑をかけてしまったことがいっぱいあったと思います。その事を反省して、KJラボの卒塾生として、高校やその先の人生をがんばろうと思います。あらためて、今までありがとうございました。
Y・Tより