生々しい記述も多いが、人間が生きていくことはこういうこともある、と教えてくれる貴重な手記。
学生時代はなかなか実感を持てないのだが、いざ身内であったり近しい人の死を経験すると、自分の命の時間も有限であったことに気づかされ、「残りの時間」を意識せざるを得なくなる。
これまでは親の庇護の下で、あまり自分で考える事もなく「誰かが何とかしてくれるだろう」的な他人任せの生き方をしてきても、いざ親が死ぬと、どんな小さな事でも自分が当事者となり、自分でそれなりに考えて行動していかなければならない。
背水の陣に追い込まれて自分がその出来事の「当事者」になるしか道がなく、時間が「有限」であることを身にしみて分かった時、目の前の物事に対して真剣になり、一つひとつの機会を貴重なもの(一期一会)として自分を1mmでも成長させるきっかけにしていこうと思うのである。