大阪府立寝屋川高校(寝屋川市)

■アクセス
天満橋から京阪準急で15分、寝屋川市駅。商店街を北東方向に進むと、徒歩6分で正門に到着。生徒は交通量の多い車道を避けて、西側の通用門から出入りしている。

■歴史
明治43年(1910)門真の古川橋に河北高等女学校が開校。昭和3年(1928)大阪府立寝屋川高等女学校に改称された。昭和23年(1948)学制改革により大阪府立寝屋川高等学校となり、男女共学化された。

■主な特徴
◎文武両道(部活動加入率<実質>70%、運動系20部、文化系9部)
→陸上競技部、男子バレーボール部、クラシックギター部に実績あり

◎行事が多い
◎自考自走できる生徒づくり
◎月・水・金7時間授業

◎定時制があるため、全日制の生徒は18時完全下校
◎スタディサプリ導入4年目(塾なしの生徒に対応)
◎DXハイスクール

■進路実績
今春の卒業生320名のうち、合格者は国公立大学26%、関関同立34%、他大学29%。
そのうち関西大学の延べ合格者数240名(うち現役231名)は大阪の公立高校の中で第5位。

■学校推薦型選抜の人数枠(指定校推薦)
R7年最新で、同志社7名・立命館6名・関学19名・関大13名。約10%の生徒が指定校推薦を活用。

■校舎の建て替え
令和9年(2027)11月に着工予定。現在のグラウンドに新校舎を建てるため、仮校舎を設けずに工事が進む。現校舎の跡地が新しいグラウンドになる。

■標準服
今年度より制服が標準服化され、私服での登校が可能になった。

■まとめ
この日は中学校の先生と塾対象の合同説明会だったが、参加者は10名弱。1席おきに参加者の名前が記されたプレートが置かれ、自分の名前を探して着席する。

説明会情報が教材会社や模試会社によって流通する私学とは異なり、公立高校は各校のホームページでしか塾説(塾向け説明会)の告知がされないため、説明会の存在に気づく者、そして申込者は更に少なくなる。

ということで、アットホームな雰囲気で説明会は進んでいった。学校概要、進路状況などの説明の後に、個別相談&懇談の時間ということで、一人ひとりの参加者の横に本校の先生がランダムに着席して、1対1で懇談することになった。こっ!これは・・・まるでオッサン同士のキ〇〇〇〇ではないか(笑)

社会科でクラシックギター部顧問の谷先生といろいろお話をさせていただきながら、校内見学の希望を申し出ると「では先に会場を出ましょうか」ということになった。やはりまるでオッサン同士のア〇〇〇である(笑)

校長の井上先生、首席の岡田先生と名刺交換をさせていただいて、谷先生と会場を出る。グラウンドを眺めながら校舎をくまなく見学。既に2学期が始まっており、校内の各所では部活動が行われている。

部活の風景から目に入る生徒、廊下ですれ違う生徒のそれぞれ、コツコツ勉強して入学してきた生徒ばかりなのだろう。決してヤンチャな雰囲気ではない。

本館は昭和12年(1937)の完成で築85年の歴史ある建物。正面玄関には寝屋川高校の歴史をたどる大型パネルが展示されている。京阪電鉄と創立年が同じということで、パネル下部には京阪の歴史が並んでいる。

校舎は本館を中心に、時代に応じて増築されてきた複数の校舎が廊下でつながれている。シンプルな構成のはずだが、中を歩くと迷路のように感じた。

築85年の本館の教室では、教壇に立たせていただいた。足元の板からミシミシと木のこすれる懐かしい音が聞こえる。「これは生徒たちの原風景となる教室ですね…」と私がつぶやくと、「新入生はホームルームの教室が本館に割り当てられるとハズレって言うんですけどね、笑」と谷先生。古い校舎のため生徒の個人ロッカーがなく、勉強道具を置いて帰ることはできないとのこと。

地下にある図書館はコンパクトながらも最新刊や最新の雑誌が多数揃えられ、私だったらここで何時間も過ごせそうだ。自習中の生徒も複数見られた。

今春の高校入試では八尾高校と共に定員割れが話題になった寝屋川高校。旧第3学区の学力ゾーンでいえば、高津高校と清水谷高校の間に位置し、貴重な中間地帯であるものの、私立に流れやすい学力帯の学校ともいえる。とは言っても、本校は公立高校にしては交通のアクセスが抜群のため、今後校舎の改築と共に人気校として再び復権していくだろう。

一方、先日の桜和高校の教育文理学科のように強く尖った特徴を持っている学校ではないので、USP(Unique Selling Proposition=本校だけが持つ独自の価値)は弱い。となると、先生方の学校説明も焦点が薄まる傾向にあり、周囲に与えるインパクトも弱くなる。

井上校長が、入試問題のレベル選定の際に「B問題」「C問題」の選択を近年迷走していた、とおっしゃっていたのは上記の要因もあるのだろう。

で、これが従来型の公立高校らしい面なのだが、学校のUSPが弱いと、学校はさまざまな教育メニューを用意することに注力し、学校が生徒を引っ張るというよりも、生徒の自主性にゆだねる校風が生まれてくる。

本校はその意味において、まさに「THE・公立高校」と言ってよい。

(2025年8月22日訪問)