一隅を照らす

先週金曜日、朝からの用事を済ませて烏丸御池から御池通りを歩いて東へ2.5km。平安時代の1150年に創建された青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)を初めて訪れた。

青蓮院は三千院、妙法院と共に、天台宗の三門跡寺院とされる。「門跡寺院」とは皇室や摂関家の子弟が入寺する寺院のことであり、青蓮院は多くの法親王・入道親王(皇族出身で親王の称号を与えられた僧侶)が門主(住職)を務め、格式を誇ってきた。江戸時代に仮御所となったことがあるため「粟田御所」の称もある。(Wikipediaより引用)

中世のテーマパークとも言える池泉(ちせん)回遊式庭園を望んで、小御所、華頂殿(かちょうでん)を巡ると、随所に天台宗の開祖である伝教大師・最澄による「径寸(けいすん)十枚、これ国寶(こくほう)に非ず、一隅を照らす、これ則(すなわ)ち国寶なり」と書かれた言葉が目に入ってきた。

『輝く宝石が10個あっても、それは国の宝じゃないんだよ。世の中の片隅、たった一か所を明るく照らすことの出来る人材、それこそが国の宝なんだよ』

という意味である。

今の自分に与えられた持ち場で、自分の出来る限りのことを精いっぱい頑張れ。それだけで充分だ。
伝教大師・最澄は青蓮院門跡で、今日も訪れる者に語り掛けている。