城南学園中・高(大阪市東住吉区・女子校)

【アクセス】
今里筋と長居公園通の交差する湯里6丁目交差点の周囲に関連校舎が分散している城南学園。BRTいまざとライナー、大阪シティバスの湯里六丁目バス停が最寄りで、近鉄南大阪線の矢田駅からは徒歩8分。地下鉄谷町線の喜連瓜破駅から徒歩15分(1.1km)なので、長居公園通を住之江公園(四つ橋線)・長居(御堂筋線)・喜連瓜破(谷町線)と接続している大阪シティバスがいちばん便利だろう。

【概要】
本校は保育園、幼稚園、小・中・高校、短大、大学、大学院を擁する総合学園で、ここにデイサービス、特別養護老人ホームを合わせて「教育と福祉の城南」と謳っている。昭和10年(1935)の創立。

【コース】
◎特進(インフィニティ・1類・2類・看護系の4系統)→進学が主
◎幼児教育・福祉→幼稚園教諭・保育士・介護福祉士を目指す
◎進学スタンダード→スポーツ、キャリア教育、探究など進路研究しながら総合的に体験

本校はもともと就職がメインの高校であったが1985年より特進コースを設置して進学校化も進め、今春では国公立9、関関同立25、産近甲龍21の合格者(系列大学74、専門学校15、就職4)を出し、進路決定率は94%。

【専門的な学びと確実な就職】
特進看護系は医療機関での実習がカリキュラムに組まれているが、准看課程ではないためあくまでその先の大学・専門学校で資格を取得する流れである。幼児教育・福祉は本学園の系列施設が充実しているため、専門性の高い実習が可能。中高校舎1階にはピアノレッスン室も18室完備されている(※高校でこの実習室の多さは私は他校で見たことがない。大学並みの充実度では?)

隣接する系列の大阪総合保健大学は朝日新聞のAERA調査で96.3%の就職率全国1位。系列短大も旺文社調べで就職率は大阪トップクラス。インターンシップの提携先も多い。

【留学制度】
現在、1年間の長期留学で1名、2週間の短期留学で10名が参加。

【部活動】
インターハイ出場は硬式テニス、空手道、体操。近畿大会出場でソフトテニス、バレーボール、弓道。その他、女子校ならではの「競技かるた」「茶道」「クッキング」といった文化系活動も充実している。

【公立高校との費用の比較】
授業料無償として、初年度に必要な費用(入学金、制服、修学旅行積立など)は
◎城南学園55万円
◎公立高校21万円
で初年度の差額が34万円。ここに2・3年次の差額2.5万円×2年分が加わり、3年間での差額は約39万円。つまり、公立高校に通うよりも月1万円の実質負担で本校への高校3年間通学が可能になる。

そして、入学時に一括して支払わなければ(用意しなければ)ならない費用は
◎城南学園41万円
◎公立高校13万円
となるので、差額は28万円。

この<入学時の28万円>+<高校3年間での月あたり1万円>が、公立高校に通うよりも実質負担しなければならない額だということ。『私立は何だかんだいって費用がかかるではないか』という先入観を払拭できる数字だろう。

【まとめ】
現在中学生は各学年30名程度の1クラス、中高校舎は1998年築だが年季を感じさせない新しさを感じる建物で、都市型のコンパクトな総合学園である。5階には蔵書2万冊の図書館があり、周囲に高い建物が少ないこともあって、広々と感じさせる。3階には自習室があり、30席程度のブース型机で日曜日も生徒が勉強していた。

いま首都圏では幼児・看護等専門学科をもつ私立の進学校化が進み、専門学科は縮小または廃止される傾向にあるが、本校はむしろこれらの専門コースを更に充実させていこうという考えであり、これは大阪市南部の特性というか、実業というものを大切にしている土地柄なのかな、と色々地域性の違いを感じるのだが、こじんまりとしているが、学園としてのスケールをもった安定性・安心感のある学校であり「堅調」な学校という言葉が頭に浮かんでくる。

追記
校内見学者が和泉市のT先生と私だけだったのだが、初対面であったにも関わらず帰りにT先生が喜連瓜破まで自家用車に乗せてくださった。人情の大阪だなあと思いながら、T先生、有難うございました。