近鉄大阪線恩智駅から徒歩7分、高安駅から徒歩10分。系列に関西福祉大学(赤穂市)、金光大阪中・高(高槻市)、金光藤蔭高校(大阪市生野区)がある。大正12年(1926)の静徳高等女学校創立にルーツを持ち、昭和60年(1985)に現在の金光大阪高校から独立して八尾市に設立された。
準難関校として、今春の卒業生283名のうち延べ63名が国公立大学に合格しているが、部活動と勉強のバランスを大切にして高校野球ベスト32、美術部は黒板アート作品で近畿代表に選出されるなど文武両道の学校(高2・高3は美術コースも設置)。
ネット上では「校則が厳しい」「勉強ばかり」と書かれているが、予習と復習の習慣を身につけ、『授業で生徒が私語と居眠りをすることは教職員の責任である』という中原校長のおっしゃる通り規律ある学校運営に取り組んでいる。
卒業生の声を聞くと「学習習慣が身についた」「社会的マナーが身についた」「就職先やアルバイトで役立った」という声が多く、教派神道の金光教が土台ということもあるだろうが、人間性を培う教育が行われていることが理解できる。
また、「宿題が特に多いが、先生方の生徒へ対する日頃の声かけ・サポートが心の支えになった」という声は本校の特徴を示しているだろう。
中学受験においてはそう難度の高い学校ではないが、中高一貫の6年間を経て、大学受験では中入生の3人に1人が国公立大、同じく中入生の3人に1人が関関同立に合格しており、『確かな基礎学力』を基盤として6年間で伸ばしてくれる学校といえる。つまり、本校は奇をてらった珍しさや面白さというよりも、アットホームな環境の中で地道に先生方のていねいな授業と指導を受け、地道に課題をこなして骨太な学力を養っていくという、極めて真っ当な教育カリキュラムが編成されているということではないか。
いろいろな学校訪問をして「この学校には生徒を行かせたい、行かせたくない」という思いが出てくるが、金光八尾は私にとって大切な生徒を特に行かせたいと率直に思える学校であった。冬を乗り越え、地道な取り組みを重ねた人間の方が簡単には朽ちることのない花が開く。
※金光教:江戸時代の安政6年に岡山で開かれた。本部は岡山。本校の入学生に金光教への寄付や入信を募ることはないが、週1回~月1回程度の「道徳・宗教」の授業で『命を大切にする』『思いやりや感謝の心を育てる』教育が実践されている。
※本校を視野に入れている受験生は、本校が発行している『進路ジャーナル』の「大学合格の喜びと後輩へのアドバイス」が必読。課題を地道に確実にこなすことの大切さと、その中で自主性を育んでいくという指導の方向性(※「課題→自主性」であって「自主性→課題」ではない)を望む生徒に合っている学校といえる。