「原理の理解」で覚えやすく

例えば数学の公式を暗記しなさい、と言われても元々自分にとって興味関心のあるものでなければ、そう易々と記憶のなかには入ってこない。根気で繰り返し練習するのはもちろん大切なことであるが、そういうものはその場限りで忘れてしまうことも多い。一夜漬けの勉強が後々になって功を奏さないというのはこういうことだ。

どうすれば忘れにくくなるかというと、「原理の理解」に努めることだ。
単純な例で、「Aの2乗-Bの2乗=(A+B)(AーB)」という基本的な因数分解の公式がある。まあこの例は覚えるまでもない公式ではあるが、まず自分で右辺から左辺に展開してみて「(A+B)(AーB)=AA+AB-AB-BB=AA-BB」という計算を一度でもしてみれば、なるほど!という納得と共に断然脳に吸収されやすくなっていく

2次方程式の解の公式もただ「覚えなさい」と言われたから「覚える」という機械的な流れではなくて、分からなければ教科書でも見ながら平方完成をして一度自分で証明してみることで、何となく親しみというか、異物を覚えるという違和感が軽減されていくのを実感でき、公式そのものを忘れても自力で公式を導きやすくなるのと同時に、公式が頭に入りやすくなる

数学に関わらず、なにか新しいことを取り組む際に、このアプローチは意外と大切である。