成田高等学校・付属中学校(成田市)

JR成田駅・京成成田駅から成田山新勝寺の参道をひたすら歩いて15分。大本堂の真正面にある総門の前を越えて、東参道を500m進むと本校がある。

本校は「学校法人成田山教育財団」、つまり成田山新勝寺が直営する学校で、浄財により教育費が助成されている。高校入学生の初年度納入金は60万円。千葉英和の83万円、日体大柏の73万円、八千代松陰の70万円と比較しても、抑え目の学費であることが分かる。

創立は1887年(明治20)年で、2018年に120周年を迎える。もともと成田エリアに私立学校が無かった時代に、地域で活躍できる人材を育成することを主眼として設立された学校なので、成田山の学校でありながら宗教色は薄く、仏教(真言宗智山派)に関する行事はほとんどない。今回初訪問の私としてはここが最も驚いたポイントで、これまでの「成田高校=仏教校」という先入観が間違いであることに気づかされた。

まあ、そうは言っても正門を入った右手の講堂は仏教的な装飾がされていたり、講堂の舞台奥には高さ4mの不動明王が祀られていたりもする。

目立った仏教行事により生徒たちが感化されるのではなく、成田山という大らかなお不動様の手のひらの上で、本校の生徒たちが伸び伸びと、宗教色にこだわらずに生活している、という言い方が相応しいように思う。その鎮まった(静か、という意味ではない)雰囲気というのは、やはり成田山独特の空気が流れているのだろう。

本校の努力目標は「挨拶する」「正装する」「勉強する」「運動する」「掃除する」であり、あえて宗教的なスローガンでもなく、当たり前のことを当たり前に出来るようにする、ということはまさに宗教的生活で求められるテーマであるので、そういう意味でもやはりお不動様の手のひらの上で泳いでいる学校なのだ、と言って良いと思う。


【クラス編成】
中学は各学年3クラスずつ。高校から5クラス分が入学してくるので、高校で各学年8クラス編成(各40名)になる。比率は男子がやや多い。中学内進生と高入生は別クラス。

中入生は1年・2年が学力に関わらない均等クラスで、中3以降は習熟度別の選抜クラス1・一般クラス2に分かれる。高入生5クラスは習熟度別の編成で、特進αが1、選抜クラスが2、一般クラスが1、部活動等の特別技能生クラスが1。

【特奨生】
毎年、各学年の上位15名(全体の5%)程度が特奨生として年間12万~24万の給付を受けている。入試時に特奨合格とならなくても、選抜クラスへ配属された場合には奨学金を受ける可能性が出てくるということだ。

【部活動】
全生徒の8-9割が参加。そのうち強化指定クラブは「陸上・野球・柔道・剣道・水泳・女子ソフトテニス」。全国大会レベルで特に活躍しているのは「陸上・ダンス・野球・百人一首・放送部」。

特進αクラスの生徒は強化指定クラブへの加入が出来ないが、一方で強化指定クラブに所属する特別技能生クラスというものがあり、文武両道の学校といえる。

【修学旅行】
中学生は奈良・京都、高校生はオーストラリア(班別研修+ホームステイ2泊)。この行き先のチョイスを見ても、本校の宗教色の薄さが理解できる。

【入試】
中学入試の12/1「第一志望入試」は推薦ではないので通知表や推薦状は不要。1月の一般入試では併願よりも専願の方が10点程度合格基準が緩和される。一般入試の理科・社会では過去問と同様に、20字程度の記述問題が各科2題ずつ出題されることが対策のポイント。

さて。
「いやはや、当初の(先入観の)イメージと全く違うわい」と思いながら本校正門を出て、東参道から総門に戻る。総門の急な階段を登り、フーフー言いながら成田山新勝寺の大本堂で合掌。

祈祷の読経が本堂に響き、線香の煙も絶えない。個人的なことだが私は東京・江東区の深川不動尊(成田山別院)の近くで育ったので、何とも懐かしい感覚。これまた自分もお不動様の手のひらの上で泳がせてもらっているような、しみじみ居心地の良さに浸りながら、成田山一帯を後にした。

(6月30日訪問)

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kamiojuku