インスタと営業マンと偏差値

とある企業で運用を始めたInstagramのフォロワー数を引き上げたい、という要望があって「Likes」という自動化ツールを導入した。何の自動化かというと「フォロー」と「いいね」をAIロボットが人間に代わって自動で行ってくれるというものだ。

で実際にフォロワー数100程度だったアカウントがツール開始から1カ月後には1,000を超えた。それもフォローしてくれたのはフォロワー増加のための怪しいアカウントではなく、この企業のターゲットに適った実在の団体・個人であったのだ。

その自動化ツールがどうやってフォロワー数を増やしていったのか。記事に追加するハッシュタグを厳選したり、といった細かい仕様はさておき、ひたすら自分のターゲットとする分野のアカウントに「フォロー」と「いいね」をし続けるのである。

えげつないほどにプッシュを重ねていくうちに、フォロー返しで反応してくれるフォロワーが必ず出てくる。やがてジリジリと150件、200件とフォロワーを獲得していくと、次第に客が客を呼んでフォロワーの獲得スピード自体も加速してくる。つまり、200件が250件になる時間と、600件が800件に増える時間が同じくらいになっていくのだ。(2次関数のグラフを思い浮かべればよい)

是非はともかくとして、この自動化ツールは結果としてフォロワー1,000超えというものをひとまず達成した。ここに至る猛烈なプッシュというのは、塾に出入りしている教材業者などの営業マンのあり方にも通じてくる。

「この教材どうでしょうかね…読みづらいですかね」などと恐る恐るやってくる営業マンは基本的に仕事を獲得できない。一方、やり手の営業マンはこちらのニーズを読み取って的確に教材サンプルやカタログをどんどん持ってくる。用事がなくても「近くに来たので」と顔を出してくれる。こちらが近況で抱えている課題を少し話しただけで「見積もり出しましょう!」とその日の夜には見積書をメールで送ってくる。このように、腕の良い営業マンのスピード感とプッシュの圧の強さは目を見張るものがある。

つまり、InstagramのようなSNSでフォロワーを獲得することと、実社会で活躍する営業マンの動きというのは根底で通じているのである。そんなことを考えながら、ふと「学校の成績や偏差値を上げることも、インスタや営業マンと同じではないか」と思ってみた。

例えば「次はこの勉強をしてみようと思うのだけど、どうだろうね」のように先生がオドオドしながら生徒の反応をうかがって教材を与えていたら、まずその生徒の成績は伸びない。生徒の成績を伸ばすためには、指導側が教材内容を熟知していること(ターゲティング)と絶対的な自信をもって次の課題を与えること、変な間を置かずにリズミカルに教材を生徒に提供していくこと。これに尽きる。つまり指導側による「プッシュ」が不可欠で、少なくとも生徒放任は駄目であるし、さらに生徒のモチベーションがこの「プッシュ」と相まったら目に見えて成績に変化が出てくるのである。

インスタと営業マンと偏差値。一見関連のないように見える分野の根底には、同じ法則が流れていたのだ。

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kamiojuku