どうやって実現するか、が問題

4度目の覚せい剤に「猶予判決」 三田佳子さん次男
FNN PRIME(2018年12月13日)

三田佳子さんの次男に、覚せい剤で4度目の判決。
記者からの「きょうは判決ですが、お気持ちはいかがですか?」との問いかけに、高橋祐也被告(39)は無言だった。

女優・三田佳子さんの次男・高橋祐也被告。
4度目の逮捕の末、13日に注目の審判が下された。

裁判官「被告人を懲役2年6カ月に処する。5年間、その刑の執行を猶予する」

2018年9月、東京・渋谷区の飲食店でトラブルを起こし、警視庁に任意同行を求められた高橋被告。
その後、自宅で覚せい剤を使用した罪で、起訴された。

高橋被告「覚せい剤を目の前にすると、一度くらいならと思って、手を出してしまった」

「一度くらいならという、心の弱さがあった」と説明し、覚せい剤を使用した事実を認めた。
一方、検察側は「常習性・依存性は顕著。覚せい剤との関わりは根強く、再犯のおそれも極めて大きい」と指摘し、懲役2年6カ月を求刑。

裁判では、覚せい剤の“常習性”が争点となった。
2度目の2000年12月、神奈川・横浜地方裁判所川崎支部では、40近い傍聴席の券を求めて、およそ500人が朝から列を作っていた。

これまで、たびたび覚せい剤がらみで逮捕されてきた高橋被告。
1度目は、1998年。

当時18歳だった高橋被告は、覚せい剤を所持。
さらに、その2年後の2000年、今度は覚せい剤を使用。

2007年には、3度目となる逮捕で、ついに実刑判決が下された。
2007年、母・三田佳子さんは、「親として、やっぱりダメな親だなという実感が」と話していた。

母で女優・三田佳子さんは、その都度、謝罪会見を行い、わが子の更生を願ってきた。
その思いを裏切る形となった4度目の逮捕。

13日の裁判で、東京地裁は「動機、経緯として、酌むべきものでは全くない。覚せい剤の常習性、覚せい剤に対する依存性も認められる」と指摘し、高橋被告の刑事責任は、到底軽視できないと断罪。

一方で、覚せい剤の入手先を供述したことや、更生の意欲を示していることなどから、懲役2年6カ月、執行猶予5年で、保護観察付きの有罪判決を言い渡した。

裁判官「覚せい剤を使わない日を、1日1日積み重ねてもらわないといけないと思います。環境をどう整えるのか、あなたでよく考えてください」

高橋被告「はい」

裁判官からの説諭の言葉に、高橋被告は深く一礼し、法廷をあとにした。

12月、誕生日を迎えて、39歳になった高橋被告。

今度こそ立ち直ることはできるのか。

裁判官の説諭・・・「環境をどう整えるのか、あなたでよく考えてください」

確かに裁判官にできる最大限の声掛けはこういうことになるのだろうが、この事件に限らず、周囲を見渡すとこういう声掛けは多い。

学校の三者面談で・・・

先生「そうか。数学そんなに苦手なのか。どの辺が特に苦手なのかな?」
生徒「〇△×の分野です」
先生「ほう、そうか。それなら、出来る問題から一つひとつ積み上げていけば、苦手も得意に変わっていくんじゃないかな」
母親「そうよ、努力が足りないのよ。そこから頑張りなさい」
生徒「…はい」

高橋被告の話題に戻ると、
これは高橋被告本人の問題ではあるけれども、もはや「それを言っちゃあおしまいよ!」てなもんで、本人の問題よりも明らかに周囲のサポートの問題だと思う。当然、本人が改善しよう、進歩しようという気持ちが大前提だけれども、周囲がいかに環境を整えるか。これは甘やかしではなく、本当に周囲ががっちりとスクラムを組んでサポート出来るか否かにかかっている。田代まさしが現在地域のイベントに出演できるくらいまで覚せい剤依存から回復しているのも、リハビリ施設ダルクの存在なくして有り得なかったのだろう。

再び学校の話に戻ると、
通知表の所見欄で「この夏は1学期の復習をしっかりしておきましょう」とか「積極的に授業に参加しましょう」とか、パッと聞いて「ああ、そうだな」と頷いてみても、「あれ、ちょっと待てよ」と。「問題はそれをどうやって実現するか、の具体的なアプローチが示されなければ、結局本人の根性論に終始してしまって何の改善も得られず時間だけが過ぎていくんじゃないのかな」ということになる。