実はアドバンテージ

年末の退出時「今年も一年間ありがとうございました」。年始の入室時「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」。

使うことばの違いはあるが、多くの生徒が折り目正してあいさつをしてくれた。また、他生徒のそういった振る舞いを見て「あ、僕も(私も)しなければ」とあいさつした生徒も少なからずいただろうと思う。

こういった折節のあいさつというのは、単に節目のけじめをつける、というだけでなくそういった行動が自発的に取れる生徒と取れない生徒の差が、あいさつを受ける側から見てくっきり分かれるから、結局あいさつをした生徒自身にとっての大きなアドバンテージとしてその生徒自身に還元されていく、ということが確実にいえる。

もう少し具体的に言おう。ここにアメ玉が一つあったとする。そのアメ玉をA君・B君のどちらにあげよう、となった時に折節のあいさつの出来る人間にあげてしまおう、という気になってしまうのが人間の率直な心情というものだ。世の中は一事が万事、こうである。

情けは人のためならず、ということばがあるが、あいさつも人のためではなく最終的に自分のためになるということを、生きる知恵として知っておいて損はない。