更に進化・深化へ

今年は試験的に市販教材の「トレーニングノート」というコンパクトな問題集を生徒に応じて使用して、その反復練習をノートで徹底させるようにした。新年度は更にこの取り組みを軌道に乗せて、老舗の塾用教材を、今はやりのワーク形式ではなく問題集形式の教材を与え、ノートでの反復練習をみっちり管理していこうと考えている。

これまではプリントが授業の主軸にあったが、プリントは補助教材に留めて、教材+ノートの活用をメインにして、生徒自身が自分で解く、調べる、答えあわせをする、反復する、質問する、教師はピンポイントでヒントを与える、という生徒に主体性を育ませる取り組みを強化する。

学校では1日6時間も授業を受けているのに、なぜ勉強できない(しない)子が増えているのか。それは、一斉講義型の授業という形そのものを行う時代が既に「終わってしまった」ということでもある。皆が傍観者、お客さんになってしまい、ただ話を聞く、ただ座っている、という風に「わがごと」ではなく「他人事」の意識が強くなっているからこそ、どれだけ授業時数が増えても子供の学力は伸びないのだ。

大切なことは生徒自身が頭と手を動かすことで、そのための環境づくりに大人は注力すべきである。講義や解説は必要に応じて最小限でよく、少なくとも生徒が椅子にふんぞり返って、腕組みでもしながら先生の講義を眺めている、というすこぶる無駄な時間を撤廃していかなければならない。

「求めよ、さらば与えられん」とは新約聖書・マタイ伝の言葉だが、生徒が求めるようになって初めて「与え」られるべきであって、生徒が求めてもいないのに先に大人が先回りして「○○ちゃん、あれもこれもしなさい」と口に飯を押し込んでいるのが昨今の風潮だ。生徒自身が考え、適切に喚起していけるようなヒントの出し方、誘導の仕方とは何か。

常に思考しながら、指導法を独自に進化・深化させていきたい。