塾業界に潜む、輩(やから)

例年、春から秋にかけて私立学校を中心に学校訪問を行っている。本日も午前中に一校訪ねてきたのだが、説明会で隣に着席した塾関係者の様子がひどかった。

着席した途端に足を組む、その組んだ足をガタガタと貧乏ぶるいさせる、説明会資料の冊子を頻繁にバッサバッサとめくり返したり整えようとしたりする。在校生の学校紹介のスピーチの最中に音を立てながら紙袋を広げて資料類を仕舞おうとする、終了後は椅子を仕舞わないどころか椅子を机から大きく引き離した状態で立ち去っていく。

今回のことではないが、学校によっては授業見学中に私語をしたり、廊下で足音を響かせることに無神経であったり、そういう輩も数パーセントの確率でほぼ必ず存在していたりする。大手塾の若手男性社員らしき人間に至っては同僚の女性と、ここぞとばかりに会話を続けて仲良くなろうとしている場面も見られる。説明会や校内見学の最中でも、キャハ!とか言いながら楽しそうに私語を続けているわけだ。会社ではタイミングがつかめないから、チャンスと思っているのだろう。

こんな人間でも、「塾関係者」なのである。真っ当な人間ならば、自分の授業中に目の前の生徒が上記のような振る舞いをしたら許せないと思うはずである。教える側、プレゼンテーションする側の気持ちを知っていれば、聞き手はどのような態度で臨むのが相応しいか、本当は分かるはずである。

上記の塾は恐らく授業崩壊に似たようなものを起こしているであろう。授業中の私語、先生へのタメ口、備品の扱いの乱雑さ、こういったものが現象として出ているはずである。ただ、そういった層の生徒にとっては「友達と一緒に通って楽しい」という集団で動く心理があるので、容易に塾が潰れることはない。「類は友を呼ぶ」の法則で、彼らは彼らなりにやっていけているのだ。

一般の生徒・ご家庭の方から見れば、広告や看板、塾の外見から、その塾に携わる者の人間性の見分けがつくわけがない。しかしこれらの、教育者とは程遠い人間がマトモづらをして銭稼ぎしているのが、塾という世界の闇の一面である。