聴く力・読む力・好奇心を育む


時事通信 2014年3月28日(金)13時7分配信
両親の学歴や世帯収入が高いほど子どもの学力も高い傾向にある一方、家庭環境にかかわらず宿題をする子も学力が高いことが、昨年4月の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を基に実施した文部科学省の委託研究で28日、分かった。収入が増えるにつれ塾代などの学校外教育費支出が多くなり、子どもの正答率も高まった。

経済力など家庭状況と子どもの学力との関係を全国規模で調べたのは初めて。親が子どもに本や新聞を読むよう勧めたり、読み聞かせしたりすることも学力に強く影響していた。

研究グループの代表で、お茶の水女子大の耳塚寛明教授は、家庭環境による学力格差を克服する上で鍵となる取り組みを示しているとした上で、「学校や家庭でこれらに配慮をした指導を広げていくことが必要だ」と話している。

3月20日号の塾通信で、『聴く力』と『読む力』という記事を掲載したが、ちょうどこれと関連するニュースとなったのが冒頭の配信記事である。塾通信では以下のように結論を記した。

『結局のところは幼少期から本の読み聞かせや絵本等で「聴く力」と「読む力」を育むことが必須の教訓として示されているように思えてならない』

家の中で大人が新聞を読んでいたり、大人が見ているテレビ番組、またはラジオを聞いていたり、といったことに子供は影響を受けやすい。だから、肩ひじ張って「読み聞かせするぞ!」と身構える必要はない。結果的に読み聞かせ効果が得られる環境に家の中がなっていることが最も近道だ。

これと合わせて大切なのが「外での体験」。電車やバスに乗ったりして美術館や博物館を含めて家庭で出来る社会科見学のようなものを積極的に行うこと。こういったことも子供の知的好奇心を育む重要な種となる。そういった積み重ねが、小学校や中学校で習う学習項目とリンクして、学力の優劣に関わってくるのだろう。