志学館中・高等部/拓大紅陵高校(木更津市)

先週の「成立学園」「東洋大京北」訪問はあくまで私の教養目的であったが、それ以外はあくまで塾生に関与する学校訪問となる。塾生が実際に進学する可能性があるのなら西に東に、三鷹でも木更津でも行ってしまおう、というわけだ。塾生の居住地も鎌ヶ谷近隣から遠方から様々である。

早朝出発し、鎌ヶ谷から京葉道路、館山自動車道を飛ばして片道2時間。ここまで来るとちょっとした旅行の気分だ。木更津ICで降りて、一般道を南へ下っていく。見えてきたのが拓殖大学紅陵高校。重厚なアーチのかかった急坂を登ると、大きな噴水の前庭に大学キャンパスと見紛うばかりの豪華な11階建て校舎。

今回の訪問目的はあくまで志学館中学・高校であったが、説明会会場が拓大紅陵高校であったので早速入館しエレベーターで11階の会議室へ向かう。

「拓殖大学紅陵高校」と「志学館中学・高校」は学校法人紅陵学院が運営しており、両校の校務はほぼ一体といえる。紅陵高校は中堅の学力、志学館中高は東大合格6年連続、房総半島随一の進学校と言える。

さて、エレベータを降りた先の会議室は展望室のようになっており、校舎そのものが小高い丘の上にあるものだから東京湾から横浜、アクアライン、お台場、千葉市内が一望できる。

拓大紅陵高校は普通科の中に「特進」「進学」「普通」の3コースに分かれている。現在はスポーツコースは廃止されているが、スポーツ特待も積極的に行う。

志学館中学・高校は創立31年目で大学進学を重視した学校であるが、あいさつ・礼儀の出来る「信頼される人間づくり」を目指している。「人生開拓」という理念のもとに規律ある進学校でありたいという方針。

紅陵高校の森校長、志学館の藤平校長ともに原稿を一切読むことなくご自身の言葉で力強く講演されていたのが大変印象的だった。ただ、ここからは私の所感だが、首都圏中心で学校訪問を続けている私としては、全体的に率直に「田舎っぽさ」を感じてしまった。一部先生方の語られた話題も、都心の学校ではNGだろうというものも多々あった。また、校舎の造りは地方の成金のような(!?)、各先生方の雰囲気は体育会系というよりも、一種のヤクザ(!?)的な印象を感じる。これは言葉尻をとらえて誤解してほしくないのだが、言葉で表現するならば、という意味でイメージしやすい言語を当てはめてみたらこれらの言葉になった、ということである。

つまり、この学校は明らかに首都圏から外れているのである。それが悪いという意味ではない。地方にある豊かな学校なのだ。

だから学校そのものも華美な行事、人目をひくようなイベントはあまり存在せず、志学館ならばただ純粋に進学の道を進んでいく、といったところだ。それでいいのだ。説明会も、一部入試のテクニカルな情報以外は「あれ?それだけ??」と思う簡素過ぎるところもあり、これは東葛も含めて激戦区の都心周辺の学校の話を聞きすぎた私の耳が肥え過ぎているのかもしれない。

恐らく、本校は首都圏側に住む人間からの見方と、房総半島側に住む人間からの見方では、その価値観は相当異なるように思う。飽和している首都圏の学校と比較して、本校(両校)のシンプルすぎるシンプルさをどのように受け止めるか。それはそれで一つの路線として良いのか、それとも時代遅れなのか、見る人によって見解は大きく分かれるだろう。

NHK紅白歌合戦の出場歌手のラインナップの幅が年を追うごとに激しくなっているように、生徒の個性が多様化している「ならば」、多様化した生徒が一人ひとり本校に合わせていくのか、それとも本校が多様化した生徒を広く受け容れる幅を持っているのか、選択肢の少ないこの地域の学校で、学校の存在価値そのものが都心および東葛地域のそれとは相当異なっているということをまず大前提として本校を判断していくしかないだろう。

さてさて、
帰りがけに志学館の方にも車を走らせてみた。紅陵からは車で5分程度、志学館の方が校舎は古い。何よりも、両校とも正門前に専用のスクールバスが各10台以上ずらっと並んでいるのが圧巻。さすが安房鴨川までスクールバスを走らせているとは、こういうことなのか。

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kamiojuku