誠実、根気、集中力

友達がどうであるとか、そういう雑多なことを考えずに、ただひたすらに自分の目の前の作業を淡々とこなしていく。そういう誠実さ、根気、集中力を生徒一人ひとりに養ってもらいたいと願っている。また、そうなるためのお膳立てを塾としては出来る限り行っていく。

一人ひとりそれぞれの異なる立ち位置、学力状況のなかで、家庭学習も含めて学習習慣が成り立ってきた生徒もいれば、塾内ではそれなりに取り組んでいても自宅に帰ると入塾前と同じくダラダラとした生活に戻ってしまいそこから脱出できない生徒、それぞれの状況があるが、後者の生徒についてはとにかく塾内で過ごす時間を多く確保して、「集中する」という体験を身につかせていかねばならない。

ただ、他塾で一般的に行っている季節講習会の「長時間拘束」というものは私は疑問を持っていて、1日5時間授業を毎日連続するなど多額の授業料を要して行う塾が多いが、私も生徒の立場だったときにそういう行事に参加していたし、教える側の立場に立ってからも1日12時間授業などを経験したことはある。

しかし、そこで芽を出せるのはほんの数パーセントの生徒でしかなく、大多数の生徒は「早く終わらないかな」などと残り日数を指折りながらただ時間を消化していることが多い。それよりも本当の意味で集中する時間を、一人一人の生徒の中から磨きだして、集中する機会を多く発揮させていくこと。そのためにもただ解説を受けるだけでなく、自分で考え、自分で調べて誰も助けてくれない自分の手と頭を使わないと前に進めない追い込まれた状況を創り出してあげること。これが最も効率的で経済的で、しかも効果の高い授業法ではないかと考えている。

中学受験をする小学生については1日2時間程度、大体1日おき、という時間割で夏・冬休みの授業を組んでいるが、今年の冬あたりからは中学生全般にも広げて、積極的な「効果」を出せるように仕掛けていきたいと考えている。