「これから」のヒントは「これまで」にある

世の中には「好きなことをしなさい」という人もいれば「苦手なことにチャレンジしなさい。好きなことばかりしていては成長しない」という人もいる。結局はどちらの道をたどっても正しいのだが、私は前者を勧めたい。

私は小学生の頃から塾の先生にあこがれて、小4の時に「ダストレスチョーク」を1箱文房具屋で取り寄せて買った記憶がある。当時からダンボール箱を黒板代わりにして問題を解いたり、窓ガラスをホワイトボード代わりにして、高校生になってもこの調子で微分積分の計算を練習していた。紙に向かうよりもその方がテンションが上がる気がしたからだ。高2の時に水道橋の研数学館という予備校で出会った数学の先生に影響を受け、大学1年からいよいよTという大手学習塾でアルバイトを始めることになる。

途中ブランクはあったが、試行錯誤しつつ今の形態にたどりついたのだが、もちろん実務の上では大変なことばかりだが、根底に「フィット感」があるから、苦難を苦と感じずに乗り越えてきたのだと思う。

私の場合、やっていて楽しいかも、と思うことをその都度それなりに実践してきたという積み重ねがあるだけである。子供の頃から、自分が好きだったことを大切にして、勉強に支障を及ぼさない限りそれなりに楽しみつつ取り組んでいくと、大人になってから何かしら納得を感じる仕事にたどり着けるような気がする。

だから「あなたがこれから進む道は、これまであなたが歩いてきた道の中にヒントが必ず隠されている」ということを私は断言したい。