「小中学生の1割超にゲーム依存傾向、就寝・起床も遅く…市教委調査」
(2022/01/02 読売新聞)
ゲーム依存の救済になるかどうかは兎も角として、今の世の中の流れから「メタバース学園」なる学校が出てくるのは時間の問題だろう。肉体は自宅から一歩も出ず、仮想空間の教室にアバターを通わせて授業を受けたり部活動に参加するのである。
体力の低下や対人関係などメンタルヘルスにおいてどういった功罪が出て来るかは別として、「メタバース修学旅行」が出てくるのも時間の問題と思われる。今月のJALの機内誌「SKYWARD(1月号)」では日本航空の赤坂社長と全日空の平子社長による異例の対談が巻頭に組まれており、CO2排出をゼロにする新しい燃料(SAF=Sustainable Aviation Fuel;持続可能な航空燃料)の導入を急がなければ飛行機が飛ばせなくなると、近年急速に進むSDGs運動に相当追い込まれていることが見て取れる。
そのSDGsから見れば、化石燃料を燃やしてCO2を排出する飛行機やバスに乗るのではなく、メタバース空間の旅でエコで環境にやさしい修学旅行を実現しましょう、という流れになるのは必然としか言いようがない。実際、このコロナ禍で修学旅行そのものが中止になってしまった学校も多くある。ユニバース(現実空間)で行けないならばメタバース(仮想空間)で、と既成事実を作っていく流れは充分あり得る。
持続可能な開発目標としての「SDGs」が広義だとすれば、2022年はそれを具体的に評価するための「ESG」という狭義の概念が急速に普及していく。<Eは環境を大切にしているか><Sは社会的に価値があるか><Gはしっかり統治されている企業・団体か>という3つの指標における評価。「ESG」でない企業・団体は投資家による投資対象ではなくなり、淘汰されていく。
例えば「金閣寺」そのものはESGにおいて問題ないが、旅行客がガソリン車でやってきて駐車場に停めたら駄目でしょ、となるから金閣寺のESG評価が下がるというもの。一事が万事でこのESGが普及していけば、学校の教科書も電子化されていくのは必然で、紙の教科書は廃止され、恐らく現在の小学校低学年が高校を卒業するまでには、iPadひとつを持ち歩くだけになると私は見ている。
中間・期末の定期テストも英検や漢検のようにCBT化(Computer Based Testing)するのではないか。
「紙はダメ!ペーパーレスで」という考え方が本当に効果的なのか、歴史的に正しいことだったと評価されるようになるかは別問題として、SDGs運動やESGがこの数年以内に私たちの生活環境を激変させていくのは間違いないだろう。
当塾は要所を除いて多くの事務面はデジタルに移行しているが、肝心の教務(指導)の部分はこれからもアナログにこだわる。そうでなければ集中力・気力・根気・感性・達成感といった、食事もすれば排泄もする物理的存在としての、五感をフル動員した「人間の成長」はあり得ないと思っているからだ。
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