学校説明会、参加の流儀

先週は大阪女学院・大阪体育大学浪商・初芝立命館と、3日連続で学校説明会。

情報は足で稼ぐものであり、教室に籠ってネット検索をしていても真実の情報には出会えない。自分の目でその学校を見て、先生方に触れ、生徒の様子を観察する。偏った主観でもいいから「自分はどう思うのか」を確立させる。大切なことである。

説明会で会場を眺めていると、同じ塾関係者でもバッグを肩に掛けたまま、資料も取り出さずに最後にお土産だけもらって帰る者もいる。塾業界は玉石混交だが、そういう者も塾に帰れば「先生」と呼ばれている。恐ろしいことである。

また、説明会の参加者は多くても、その後の校内見学になると極端に参加人数が減る。偏差値や入試倍率といった外形的な情報には興味があっても、その学校の様子がどうなのか、という内面の情報に興味のない塾関係者は少なくないように思う。

大手塾であれば「会社から指示されたから来た」的な風情の者も少なからず見受けられる。もちろん難関校になるほど興味関心を持たれやすい、という傾向もあるだろう。(難関校から離れれば離れるほど、塾関係者の興味関心は薄れやすい、という意味)

他所の話はこの程度にしておいて、
私の場合は、自分の定着のために塾通信で学校訪問の記録を書いている。1校あたり書くのに3時間は軽く掛かる。先日の明浄学院も、明浄学院そのものよりも、藍野大学がどうなっているのか、という点に関心が移ってくる。

何がどうなっているのかを調べ、まとめていくのは面白い。

さて、説明会のその場では、会場にいる時点で記録を書くのに必要な資料、必要でない資料を仕分けする。「あとで帰ってから読もう」という重複した無駄な時間をなくすために、極力その場で記録を書くための素材をまとめる

壇上に立たれた先生の話を聞きながら、「この学校は一体何者なのか、何を目指しているのか、どうなっているのか」を理解することに努める。

そして、記録のネタになるものはその場で全部メモをする。ひと昔前に林先生の「今でしょ」が流行ったが、その「今でしょ」をその場で実践する。人間は忘れる動物なので、メモをすることは非常に重要

校内見学で気になったことはその場でメモ帳に書くこともあるが、観察が疎かになってしまうので、内容を覚えておいて校門を出た瞬間に一気にスマホで自分宛てにメールする。

塾に帰ったら、Wikipediaなど補完する情報を調べて、数日以内に記録にまとめる。まとめることで、自分の頭に知識とその学校の空気感が定着する。自動的に定着するのではなく、定着するように努力するということだ。

定着すれば、「あの生徒にあの学校が合うんじゃないか」とか、大阪全体の最新の入試動向が透けて見えてくるとか、仮にその学校の情報が記憶から薄れかかっても、自分で当塾のHPを調べて思い出せる。複数年に及んで記録を書けば、その学校がどのように変化を遂げているかを経年観察、そして考察できる。

ここまで来ると「他人の為」と「自分の為」が循環し始め、仕事の面白みが増してくるのである。