麹町小学校・麹町中学校

麹町中学校といえば、
今から約20年前、東京スカイツリーの建設される直前の押上(おしあげ)という土地で塾講師をしていた時に麹町中学校の生徒がいた。

まず、千代田区立麹町小学校というものがあって、そこには都内各地から中学受験希望者が越境入学してくる。麹町エリアは皇居に近く、国立劇場や各国大使館が点在する地域でもあり「麹町小学校出身」は東京ブランドの一つなのである。ここでは児童の大半が中学受験することになり、第一志望校に敗れた子供が麹町中や近隣の二番手・三番手の私立中学に流れていく。

冒頭のその生徒は兄弟で麹町小出身。お兄さんが麹町中で、弟さんが滑り止めで受かった葛飾区の私立中に入学した。私が関与したのは、その受験後であった。

もちろん麹町小・中は麹町小・中でいろんな生徒が集まっているのだが、結論から言うと、親御さんが受験モンスターで、子供の客観的な状況に関わらず「受験!受験!高いレベルの学校!」と、昔のお受験主義のような人たちがごっそり集まっている(エゴイストの集まりの)学校というイメージが私には強くある。

特に麹町小から葛飾区の私立中に流れた子の方は、中学受験で既にメンタルが崩壊しており、もともと問題を抱えていた可能性もあるが、非常に陰湿・陰惨な言葉を頻繁に発し、2001年の附属池田小事件を彷彿とさせるような地獄の精神状況を描いているように見えた。(う〇こドリルのような笑えるレベルの内容ではないということだ)

しかし、その親御さんと話をすると「成績が!テストが!点数が!」と、子の状況やメンタルに思いを馳せることなく、私から見て完全に人間性を失っている。

この話は中学受験で最悪のカテゴリーに入る例に過ぎず、麹町小・中の児童・生徒がすべてそうだという意味ではない。
だが、今の日本の似非教育業界で行われていることは、大手塾も含めて多かれ少なかれそういった病巣をはらんでおり、こういったことを考えるにつけ、私自身はますます自分の心を閉ざしていこう(塾の規模を小さく小さく、世間の表面的な流行に染まらず、生徒の毛細血管を流れる血流が聞こえてくるように繊細な塾であれ)と固く思うのである。