急所を間違えるから再テスト

当塾では連絡ファイルに「CT(Check Test)」と記している確認テストを、生徒によっては(再・8回目)(再・9回目)と何度も何度も繰り返す場合がある。

これは、恐らく誤解をしている人が多いだろうが、満点を取れないから再テストを繰り返す訳ではない。外してはならない急所を外しているから再テストを繰り返すのである。

外してはならない急所とは、例えば中学生が英語で「They is…」と書いたとしよう。思わず「They is…」と書いてしまうのは、そう書いてしまう習慣と意味を理解していないということが生徒に染み付いているのだから、この悪癖が抜けるまで先に進ませるわけにはいかない。そういうことである。

赤ペンで×印が付くと生徒は「ハッ」と気づいて直そうとするが、×印が付いてから気づくのではなく、×印が付く前に生徒自身が気づかなければならない。これが出来ていない内は(再・10回目)(再・11回目)を繰り返しますよ、ということだ。

学生の間は「They is…」と書こうが「He are…」と書こうが、先生が指摘してくれて生徒が直して済んでしまうかもしれない。

しかし、飲食店の厨房で作った料理に短い髪の毛が一本入ったまま客に提供したらどうか。整備した車のタイヤのネジ一本が緩んでいたらどうなるか。

『細かいミスですね。すみません、直しておきます』では許されないだろう。たったその一件だけで店そのものが吹き飛んでしまう致命的な事案に発展するかもしれない。

人間は習慣の産物である。だから中・高校生であっても細かなミスに自ら気づき、自ら事前に修正できる感度「気づく力」を身につけなければならない。そしてそのためには「満点を取るぞ」という負けず嫌いの気質と完璧主義的な意気込みが、大前提として必須である。

当塾で椅子をきちんと仕舞おう、消しゴムのカスをきちんと自分でまとめよう、ということを徹底しているのは、習慣づくりと同時に「気づく力(自分で気づくことに意識を置く)」を身につけるためでもある。

※写真(入塾前と入塾後の生徒の机)

上下に3枚連続。写真で見ると細かな違いを実感しにくいが、上段が全景。中段が入塾前の体験時で、椅子が何となく仕舞われた感じ、机の上は消しゴムのカスが散乱したまま生徒は帰っている。下段は入塾後3ヶ月の生徒の机で、椅子がビシッと意識して仕舞われており、消しゴムのカスも意識して一か所にまとめられている。