家庭教師にお茶出しは必要か

大手の家庭教師センターでは、契約時に「講師への茶菓は不要」といった案内が各家庭になされるようになっているが、気遣いをされる家庭では「それでもお茶くらい出さないと」と、変なところで思い悩んでしまうことがあると思う。

結論から言うと、授業中の茶菓出しは一切不要だ。

たかが2時間程度の勉強の途中に茶菓が入ってしまうと集中が切れてしまうし、気分も緩んでしまう。そもそも学校で2時間目と3時間目の間に「お茶ですよ」とカステラとか出てくるだろうか、って話だ。

更に掘り下げて言うと、家庭が茶菓を出してしまうことにより、未熟な先生が恐縮していると、子どもの方から「先生も飲みなよ」「先生も食べなよ」と、ここで一気に勉強部屋の空気が「先生>生徒」の関係から「先生(away)<生徒(home)」と立場が逆転してしまう。そうなってしまったらこの指導は終末を迎えた、と言ってよい。指導には上下関係の強制力が必要であり、先生と生徒の間にある程度の壁が必要だからだ。

場を制御できるほどの熟達した先生ならば茶菓があろうが無かろうが関係ないが、どうしても家庭側が気になるのであれば、小さな包みにお菓子を何個かくるんで先生の帰りがけにそっとお母さんが渡す、みたいな感じでよいだろう。これはこれで先生にやる気を与えるので、先生にとっても家庭にとってもwin-winになる。