試験問題の二極化と、経験値

この頃の公立中学校の中間・期末テスト問題を見ていると、比較的解きやすい問題と、これ難しいだろうという難問の二極に分かれている印象を受ける。特に前半の70点分はまあ解けるかな、という段階として、その後の30点分が極端に難しく、恐らく生徒の学力にバラつきのある学校の授業では恐らく扱っていないであろう問題をあえて掲載しているように見えるのだ。当然、進学塾でハイレベルの問題を扱っているような生徒でないと太刀打ちできないし、勉強に苦手があって「とにかくコツコツと解ける問題から出来るようにしていこう」というスタンスでは得点化しづらくなっている状況があると思う。

その上、勉強の苦手な子の一教科をどれか強く出来るようにさせたら、他の教科も連鎖してできるようになるという一般的なパターンがあったのだが、これも近年は完全に崩れて、一教科が出来るようになってもそれはそれ、他の教科はまた別という、 モチベーションの喚起の意味でも他の教科も歯をくいしばってしがみついてやろう、というスタンスは全体的に見えなくなってきたように思える。

話は変わるが、
塾の先生が生徒の質問に答えたり、瞬時に必要な公式を思い浮かべたりできるのは、その先生の頭が良いとは限らなくて、単にその世界での経験を積んでいるから、という理由であったりする。私もそうだが、20年間毎年「解の公式の証明」をしていれば身に染みて覚えてしまうのであって、例えばデパートに入っているRF1(アール・エフ・ワン)のサラダ屋のおねえさんに「パリパリサラダ300gください」と頼むと、302か303gくらいで一発で取り分けてしまうのも、そのおねえさんが超人だということではなく、「ま、これくらいなら300gじゃない?」という経験値を毎日毎日繰り返しているからである。

ということは、試験問題が二極化しようが何であろうが日頃から業務(勉強)に対する経験値を積むほか、その道の上達の方法は存在しないということだ。