聴覚認知をきたえる

先日、訪れた飲食店で「生ビールとカルピスと、あと氷をください」と店員さんに伝えたら、生ビール2杯と氷が出てきた。店員さんの偶然の間違いもあり得るが、聴覚認知の弱い人は社会人でもこういった聞き間違いを起こしやすい。

勉強の苦手な生徒は「指示が入りづらい」「他人の話を聞かない」ことが多いが、これらは「聴く力が弱い」と言える。聴く力とは「聴くことに対する注意力」と「聴いたことを覚えておく記憶力」の2種類に分解でき、これらを聴覚認知という。

私の場合、生徒に対して発する言葉はダラダラと垂れ流さず、極力簡潔に言葉の量そのものを減らし、生徒の耳に入り易くなることを心掛けている。話がただ長い人は賢くない、と一般に言われることがあるが、結局何を言いたいのかの「結論」の部分を発する自分自身が明確にして、その数少ない言葉に対して生徒が「注意を傾け」「脳に留める」ように意識している。

聴く側も「注意して聴き」「聴いたことを覚えておく」ことを心掛ける。この繰り返しが聴覚認知をきたえることに繋がり、実社会に出てからも大いに役立つ。